【元消防職員が解説】消防団ポンプ車は“普通ポンプ車だけで十分”と思うと危険 300L積載の小型水槽付だと助かる

消防団のポンプ車というと、従来型の普通ポンプ車があれば十分と思いがちです。
ただ結論からいうと、山間部や狭隘路を抱える地域では“普通ポンプ車だけで十分”と考えると危険です。

長野県中野市消防団第6豊田分団に配備された消防ポンプ自動車CD-I型は、300Lの小型水槽を積み、車両総重量を5t未満に抑えながら、山林火災や水利の乏しい場所での初期消火を重視した車両です。

■① 最初の結論

消防団ポンプ車は「着いてから水利につけばよい」で考えると危険。 助かるのは、自分で水を持って行ける車両です。

元消防職員として言うと、
初動で差が出るのは、ポンプ性能だけではありません。
現場到着直後に、すぐ水を出せるかです。

■② この車両の何が強いのか

この車両の強みは、
300Lの水を積んだまま、旧普通免許でも運転できる5t未満に収めたことです。

しかも、積んだ水を有効に使うために、

  • 高圧噴霧消火装置
  • ガンタイプノズル
  • ホースバッグ
  • 応急給水栓

などが組み合わされています。

つまりこれは、
「大きい消防車」ではなく、
山間部や水利条件の悪い場所で先に効く消防車です。

■③ 何が危ないのか

ここで危ないのは、次の考え方です。

  • 消防車はポンプが強ければよい
  • 水利は現場で探せばいい
  • 狭い道でも何とか入れる
  • 山林火災も普通ポンプ車で同じように対応できる

被災地派遣や現場経験でも感じましたが、
本当に怖いのは、
火が大きいことより、初動が遅れることです。

特に、

  • 狭隘路
  • 山間部
  • 山林火災
  • 初期消火

では、現場到着後すぐに自前の水で対応できるかどうかがかなり大きいです。

■④ なぜ消防団に合っているのか

消防団は、常備消防のように人員も装備も潤沢ではありません。
だからこそ強いのは、
少人数でも扱いやすく、着いてすぐ動ける装備です。

この車両は、

  • 300Lで約30分の高圧噴霧放水
  • 可搬式で転戦可能
  • 65mmホースのホースバッグ化
  • 応急給水への転用

など、消防団の現場感覚にかなり合っています。

防災士として見ると、
これは単なる車両更新ではなく、
地域特性に合わせた消防力の組み替えです。

■⑤ 現場感覚として一番伝えたいこと

防災士として一番伝えたいのは、

消防車は“性能表”より“地域でどう使えるか”の方が大事

ということです。

平地の市街地と、
山間部や果樹園が広がる地域では、
必要な車両は同じではありません。

元消防職員として言えば、
強い車両とは、最新の車両より、
その地域で最初の一手を外さない車両です。

■⑥ まとめ

今回のテーマで大事なのは、

消防団ポンプ車は“普通ポンプ車だけで十分”と思うと危険。 300L積載の小型水槽付だと助かる。

この判断です。

ポンプ車は、ただ更新すれば強くなるわけではありません。
地域の道、地形、水利、火災特性に合わせてこそ、本当に強くなります。

だからこそ、
中野市消防団第6豊田分団のように、
水を持って入り、すぐ初期消火に移れる車両はかなり意味があります。

地域に合った消防車を選ぶ。
それが一番現実的で強い消防力整備だと思います。

出典:Jレスキュー「消防ポンプ自動車CD-I型 長野県 中野市消防団」

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