まとまった雨は、短時間で状況が変わりやすく、外に出た瞬間に「もう遅い」が起きます。大雨そのものより怖いのは、見えない場所で進む浸水、土砂の前兆、停電や道路寸断の連鎖です。被害を避けるコツは、情報より先に“動ける形”を作り、判断を軽くしておくことです。
■① まとまった雨で増えるリスクは「浸水・土砂・交通まひ」
まとまった雨では、用水路や側溝が一気にあふれたり、低い土地が先に浸水したりします。山沿いや崖の近くでは土砂災害の危険が上がり、道路は冠水で通れなくなります。夜間は水位の変化や段差が見えず、避難が難しくなるため、雨が強まる前の動きが重要になります。
■② まず家の「排水の通り道」を確保する
最初にやるべきは、雨水の出口を作ることです。
・雨どいの出口、側溝、排水口まわりの落ち葉や泥を取り除く
・ベランダや庭の排水口を確認する
・玄関前や駐車場の水の流れを見て、溜まりそうな場所を把握する
この“通り道”が詰まると、雨量が同じでも浸水の起点が一気に生まれます。
■③ 次に「家の中に水を入れない」準備をする
浸水は、玄関・勝手口・換気口・車庫側から入ってきます。
・玄関や勝手口の前にタオル、吸水材、土のう代用(袋+土/砂/水)を用意する
・コンセント周りや延長コードを床から上げる
・貴重品、薬、充電器、保険証の写しを上の階や高い棚に移す
「床に置かない」「入口をふさぐ」「電気を守る」だけで被害が減ります。
■④ 車は「早めに高い場所へ」移動させる
冠水は車の故障だけでなく、避難手段を奪います。
・低い場所の駐車場、川沿い、アンダーパス付近は早めに避ける
・移動できるなら高い場所へ移す
・移動が難しい場合は、車内の貴重品・書類・常備薬だけ先に回収する
被災地派遣の現場でも「車がやられて詰んだ」家庭は多く、車の判断は早いほど損が小さくなります。
■⑤ 情報は「増やす」より「絞って行動につなげる」
まとまった雨のときは、情報を追いすぎると手が止まります。
・見るものを2つに絞る(気象情報+自治体の避難情報)
・危険を感じる基準を先に決める(川の水位、道路冠水、避難所開設など)
・迷ったら、外に出られるうちに動く
判断の負担を減らすほど、逃げ遅れが減ります。
■⑥ 避難の優先順位は「土砂→浸水→停電」の順で考える
土砂災害は一発で命に直結するため、山沿い・崖近くは最優先で早めに離れる判断が必要です。浸水は水位が上がると歩けなくなり、車も使えなくなります。停電は情報と行動を止めるので、早い段階でモバイルバッテリーやライトを確保しておきます。避難は“早すぎる”より“遅すぎる”ほうが危険です。
■⑦ 家族の連絡は「集合場所」と「次の一手」を決める
雨が強まると、迎えに行く・戻るが難しくなります。
・集合場所を1つ決める
・連絡が取れない場合の行動(先に高い場所へ、避難所へ)を決める
・家族の薬、乳幼児用品、簡易トイレを1つにまとめる
現場では「連絡が取れず探しに行って危険が増える」ケースが本当に多いので、事前の合意が効きます。
■⑧ 今日できる最小行動は「玄関と排水口」を10分だけ見る
まとまった雨に強い家は、特別な装備より“詰まりがない”家です。
・排水口を1つ掃除する
・玄関前に吸水用のタオルと袋を置く
・ライトとモバイルバッテリーを充電する
この3つだけで、いざという時の初動が変わります。
■まとめ|まとまった雨は「通り道確保→入口遮断→早めの移動」で勝つ
まとまった雨は、短時間で浸水と交通まひが連鎖します。被害を避けるコツは、雨量ではなく“行動できる余裕”があるうちに手を打つことです。
結論:
排水を通し、家に水を入れず、車と人を早めに高い場所へ寄せる。これが最優先です。
被災地派遣の現場でも、最後に効くのは高度な知識より「早い初動」と「迷わない順番」でした。雨が強まる前に、10分だけ動いておくことが命を守ります。
出典:国土交通省「水害から命を守るために(ハザードマップ等の活用)」https://www.mlit.go.jp/river/bousai/olympic/

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