【防災士が解説】レアアースは“遠い資源の話”ではなく“通信・電源・モーターが止まるリスクまで含む防災資源”として判断すべき理由

レアアースという言葉を聞くと、多くの人は「資源の話」「経済ニュースの話」と感じるかもしれません。ですが、防災の視点で見ると、レアアースは決して遠い話ではありません。なぜなら、レアアースはモーター、磁石、通信機器、発電設備、電子機器などに深く関わっており、供給が不安定になると、私たちの暮らしや災害対応を支える装備や設備にも影響し得るからです。

JOGMECの資料では、レアアースはスカンジウム、イットリウム、そしてランタノイド15元素を加えた17元素からなると整理されています。また、経済産業省の資料では、中国の生産・製錬シェアの高さや、日本が特に重希土類で中国依存が大きいことが示されています。つまり、レアアースは単なる“珍しい金属”ではなく、“重要なのに供給が偏りやすい資源”として見るべきものです。

元消防職員・防災士として感じるのは、危機管理で本当に大事なのは、「今ある物が動くか」だけでなく、「その物を支える材料が安定して確保できるか」まで見ることだということです。被災地派遣やLOの現場でも、通信、照明、ポンプ、発電、輸送が動いて初めて支援が回ります。だからレアアースも、“資源政策の話”で終わらせず、“防災インフラの裏側を支える材料”として考えたほうがよいと思います。

■① レアアースとは何ですか?

レアアースは、JOGMECの整理では、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド15元素の計17元素を指します。化学の分類としてはまとまりがありますが、日常生活では個々の元素名より、“高性能な磁石や電子部品に使われる重要素材”として理解したほうが分かりやすいです。

つまり、レアアースは一つの金属の名前ではなく、複数の元素をまとめた呼び方です。元消防職員として感じるのは、防災でも資源でも、まず“何を指している言葉なのか”を整理すると話が分かりやすくなるということです。

■② なぜ防災と関係があるのですか?

レアアースは、モーターや高性能磁石、電子部品に関わるため、結果として私たちの生活と防災の両方に関係します。例えば、通信機器、発電関連設備、電動機器、センサー類、モビリティ関連など、現代の暮らしや災害対応で欠かせない分野の下支えになっています。

防災士として感じるのは、災害時に本当に困るのは「設備そのものが壊れること」だけではなく、「代わりをすぐ補充できないこと」です。材料の供給が偏っていると、その弱さがあとから効いてきます。だから、レアアースは防災と無関係ではありません。

■③ レアアースは“珍しい”より“偏りやすい”ことが問題

レアアースという名前から、「地球上にほとんど存在しない金属」とイメージする人もいます。ただ、防災や危機管理で本当に問題になるのは、“珍しさ”そのものより、“採掘・製錬・供給が特定地域に偏りやすいこと”です。

経済産業省の資料では、特に重希土類の鉱石段階で中国の生産シェアが高いこと、さらに日本が重希土類で中国依存が大きいことが示されています。つまり、レアアース問題は“地球にあるかないか”より、“必要な形で安定的に手に入るかどうか”の問題です。

元消防職員として感じるのは、危機管理で怖いのは“ゼロになること”より“頼り先が偏りすぎること”です。そこが一番の弱点になります。

■④ レアアースが止まると何が困るのですか?

レアアース供給が不安定になると、すぐにすべてが止まるわけではありません。ただ、中長期的には、電子機器、発電設備、モーター関連、産業機器、移動手段などの生産や保守に影響しやすくなります。

防災の視点では、通信、電源、輸送、監視、情報処理に関わる装備の供給や更新が遅れることが怖いです。元消防職員・防災士として感じるのは、災害時に本当に差が出るのは、“壊れた後に補充できるかどうか”だということです。レアアースは、その補充力の土台に関わる話だと言えます。

■⑤ 悩みを少し軽くするなら“今すぐ生活が止まる話”ではないと理解してよい

レアアースの話を聞くと、「もうすぐ何も作れなくなるのでは」と不安になる人もいるかもしれません。ですが、そこまで極端に考えすぎなくて大丈夫です。経済産業省の資料でも、完全なデカップリングは不可能であり、中国からの安定調達を維持しつつ、粘り強くサプライチェーン多様化を進める必要があると整理されています。

つまり、今すぐ全部が止まるという話ではなく、“将来の供給不安に備えて、依存先を減らし、選択肢を増やしていくべき段階”だと理解したほうが現実的です。元消防職員として感じるのは、防災は“今すぐ壊れる恐怖”より“壊れにくくする準備”として見たほうが冷静に動けるということです。

■⑥ レアアース問題は“経済安全保障”と“防災”が重なる話

レアアースは、経済安全保障の文脈で語られることが多いです。ですが、防災も本質的には“暮らしを止めないための安全保障”です。電源、通信、輸送、医療、監視、情報収集。これらを支える装置の材料が偏った供給に依存しているなら、それは災害対応の弱さにもつながり得ます。

元消防職員・防災士として感じるのは、防災と安全保障は別の話に見えて、実は“止まらない暮らしをどう支えるか”でかなり重なっています。レアアースは、その重なりが見えやすい素材の一つです。

■⑦ 防災で大事なのは“装備の性能”だけでなく“補給の継続性”

災害対応では、高性能な装備を持っていること自体は大切です。ただ、本当に強いのは、“壊れても更新できる”“必要な時に確保できる”ことです。レアアースのような重要鉱物は、その継続性に関わります。

元消防職員として感じるのは、現場で最後に差が出るのは“今ある装備のすごさ”より“それを切らさず維持できる仕組み”です。だから、レアアースの話も、装備の性能論ではなく、補給と継続性の話として見たほうがよいです。

■⑧ 最後は“目に見えない防災インフラ”として考えたほうがよい

レアアースは、道路や堤防のように目に見える防災インフラではありません。ですが、通信機器、電動装置、発電、監視、輸送などを通じて、目に見えない形で防災インフラを支えています。

元消防職員・防災士として感じるのは、防災で本当に怖いのは、“目に見えない弱さ”を見落とすことです。レアアースは、まさにその一つです。だから、“資源の話”で終わらせず、“目に見えない防災インフラの話”として考えたほうが価値があります。

■まとめ|レアアースは“通信・電源・モーターが止まるリスクまで含む防災資源”として見るべき

JOGMECでは、レアアースはスカンジウム、イットリウム、ランタノイド15元素からなる17元素と整理されています。また、経済産業省は、特に重希土類で中国の生産シェアや日本の中国依存が大きいことを示し、安定調達を維持しつつサプライチェーンの多様化を進める必要があるとしています。

つまり、レアアースは“珍しい金属”というより、“現代の暮らしや災害対応を支える機器の裏側にある重要資源”です。防災の視点では、通信、電源、輸送、監視、情報収集といったインフラの継続性に関わる材料として見るべきです。

結論:
レアアースは、“遠い資源の話”ではなく、“通信・電源・モーターが止まるリスクまで含む防災資源”として判断すべきだと考えます。
元消防職員・防災士として感じるのは、危機管理で最後に人を守るのは、目の前の装備だけでなく、その装備を支える材料の安定性です。だからこそ、レアアースも防災の視点で見ておく価値があると思います。

出典:
JOGMEC「各国および地域連合等の重要鉱物・物質リスト概論」

経済産業省「GXを見据えた資源外交の指針」

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