【防災士が解説】初心者はBCPテストをどうやるべきか|最初に外さない確認方法の判断基準

BCPを作ったあと、
「次は何をすればいいのか」
「とりあえず訓練をすればよいのか」
「初心者でもテストできる方法があるのか」
と迷う人は少なくありません。

結論から言えば、初心者のBCPテストで最も大切なのは、“全部を本番さながらに試すこと”ではなく、“重要業務・連絡体制・代替手段が本当に機能するかを小さく確認すること”です。
内閣府の事業継続ガイドラインは、事業継続能力の確認・向上、及び意思決定のための訓練として、災害模擬演習、状況想定訓練、役割演技法訓練などを示しています。
また、内閣府の「企業の事業継続訓練」の考え方は、訓練方法は目的や参加者のBCPに関する熟練度に適したものを選択することが大切であり、机上訓練の代表例としてワークショップ訓練ロールプレイング訓練を挙げています。 (bousai.go.jp) (bousai.go.jp)

防災士として率直に言えば、初心者がBCPテストで一番失敗しやすいのは、
いきなり大規模訓練をやろうとして、何を確認したかったのか分からなくなること
です。
元消防職員として現場や被災地派遣、LO対応を経験して強く感じるのは、災害時に本当に役立つのは、
立派な訓練記録
より
どこで止まるかが事前に見えていること
です。
だから初心者のBCPテストは、小さく、狙いを絞って、改善点が見える形で始める方が現実的です。

■① BCPテストの目的は「できたことを証明すること」ではない

初心者が最初に理解したいのは、BCPテストの目的です。

BCPテストは、
・計画通りに動けるか
・連絡が取れるか
・代替手段が実際に使えるか
・判断基準があいまいでないか
を確認するためのものです。

内閣府の事業継続ガイドラインが、訓練を事業継続能力の確認・向上のためと位置づけているのも、そのためです。 (bousai.go.jp)

防災士として言えば、BCPテストは
成功を見せる場
ではなく、
弱い部分を見つける場
です。
元消防職員としても、訓練で問題が出るのは失敗ではなく、むしろ本番前に見つかってよかったことです。

■② 初心者は「机上訓練」から始める方がいい

初心者のBCPテストで最も入りやすいのは、
机上訓練
です。

内閣府の「企業の事業継続訓練」の考え方では、机上訓練の代表的な方法として、
ワークショップ訓練ロールプレイング訓練が示されています。
さらに、連携訓練の手引きでは、机上訓練は机上で確認するため、必要最小限のメンバーで実施可能とされています。 (bousai.go.jp) (bousai.go.jp)

つまり初心者は、まず
・災害シナリオを置く
・担当者がどう動くか口頭で確認する
・問題点を書き出す
という形から始めるのが現実的です。

防災士として率直に言えば、最初のテストで大切なのは、
走ること
ではなく
考えること
です。
だから実動訓練より机上訓練の方が向いています。

■③ 最初のBCPテストは「1テーマ」に絞る

初心者がやりがちなのは、
地震、火災、停電、感染症、サーバ障害、帰宅困難…
と全部を一度に試そうとすることです。

でも、最初のBCPテストは
1テーマ
で十分です。

たとえば、
・平日昼間の大地震
・夜間の停電
・主要システム停止
など、1つの事象だけを設定します。

内閣府の事業継続ガイドラインは、さまざまな訓練要素を適宜組み合わせて実効性の高い訓練を実施するとしていますが、初心者の入り口としては、まず状況を絞る方が実務的です。 (bousai.go.jp)

防災士として言えば、初心者のBCPテストは
広く浅く
より
狭く深く
の方が役立ちます。

■④ 最初に確認するべきは「3つ」だけでいい

初心者のBCPテストで最初に見るべき項目は、次の3つで十分です。

1. 連絡が回るか

誰が誰に報告し、誰が判断するのかが止まらないか。

2. 優先業務が分かるか

止めてはいけない業務が、その場で言えるか。

3. 代替手段が本当に使えるか

紙運用、別拠点、代替通信手段などが実際に回るか。

内閣府の訓練の考え方でも、チーム内でリーダー、書記、情報整理係などの役割分担を明確にすることが示されており、まずは情報と判断が回るかを見るのが基本です。 (bousai.go.jp)

防災士として率直に言えば、初心者のBCPテストは
全項目の網羅
より
連絡・業務・代替
の3点を見る方が現実的です。

■⑤ ワークショップ訓練は「考える訓練」に向いている

内閣府の資料では、ワークショップ訓練は
計画作成や解決策を導き出すことに適している
とされています。 (bousai.go.jp)

つまり初心者にはかなり向いています。

たとえば、
「平日14時に震度6強が発生。停電。職員の半数が外出中」
というシナリオを出して、
・最初に誰が何をするか
・何が止まるか
・何を優先するか
を話し合う形です。

防災士として言えば、ワークショップ訓練の良さは
頭の中のあいまいさが表に出ること
です。
元消防職員としても、最初は体を動かす前に、判断の順番をそろえる方が強いです。

■⑥ ロールプレイング訓練は「役割の詰まり」を見つけやすい

内閣府の資料では、ロールプレイング訓練は
対応力強化に適している
とされています。 (bousai.go.jp)

初心者向けには、
・本部役
・情報整理役
・現場報告役
・連絡役
を分けて、時間経過に応じて情報を入れていく方法がやりやすいです。

すると、
・誰が決めるのか
・報告先は合っているか
・同じ情報が重複していないか
・未確認事項をどう扱うか
が見えます。

防災士として率直に言えば、ロールプレイング訓練の強みは、
役割分担の詰まり
が見つかることです。
元消防職員としても、災害時に止まるのは設備より、
役割のあいまいさ
であることが多いです。

■⑦ 実動訓練は「最後」に回した方がいい

初心者は、どうしても実動訓練を先にやりたくなります。
でも、最初は後回しの方がいいです。

内閣府の事業継続ガイドラインは、訓練要素として災害模擬演習、状況想定訓練、役割演技法訓練、さらに発展的な訓練として総合演習(フルスケールエクササイズ)を挙げています。 (bousai.go.jp)

つまり、実動は発展的段階です。

防災士として言えば、初心者が最初から大きな実動訓練をやると、
「動いたけど何を確認したかったか不明」
になりやすいです。
元消防職員としても、まずは机上で詰まりを見つけてから実動に行く方が現実的です。

■⑧ テスト後は「改善点を3つ」だけ残す

BCPテストは、振り返りまで含めて意味があります。
ただし、初心者が最初から改善点を大量に出すと、動けなくなります。

だから最初は、
改善点を3つに絞る
方がいいです。

たとえば、
・連絡先一覧が古かった
・代行順位が不明だった
・紙の様式が見つからなかった
のように、具体的な項目を残します。

中小企業庁のBCP策定運用指針でも、BCPは診断、維持・更新を繰り返す流れとして示されています。 (chusho.meti.go.jp)

防災士として率直に言えば、初心者のBCPテストで一番大事なのは、
完璧に直すこと
ではなく、
次回までに直す点を絞ること
です。

■⑨ まとめ

初心者のBCPテストで最も大切なのは、“全部を本番さながらに試すこと”ではなく、“重要業務・連絡体制・代替手段が本当に機能するかを小さく確認すること”です。
内閣府の事業継続ガイドラインは、事業継続能力の確認・向上のために、災害模擬演習、状況想定訓練、役割演技法訓練などを示しています。
また、内閣府の「企業の事業継続訓練」の考え方では、目的や参加者の熟練度に応じて訓練方法を選ぶこと、机上訓練にはワークショップ訓練ロールプレイング訓練があると示されています。 (bousai.go.jp) (bousai.go.jp)

防災士として強く言えるのは、初心者のBCPテストで一番大切なのは
大きくやること
ではなく、
小さく確かめて改善すること
だということです。
迷ったら、
・机上訓練から始める
・1テーマに絞る
・連絡、優先業務、代替手段を見る
この順番で進めるのが一番現実的です。

出典:内閣府「事業継続ガイドライン」

参考:内閣府「企業の事業継続訓練」の考え方

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