地域の花見祭りは、子どもから高齢者まで集まり、屋台やステージ、交通規制も入ることがあります。普段の公園より人が密集し、事故や急変が起きやすい環境です。そこで重要になるのが、自治会や運営側の「防災リーダー役」です。難しいことを全部やる必要はありません。必要なのは、混乱を防ぐための“最低限の型”を用意すること。ここでは、避難誘導マニュアルを「1枚」で作る実用手順をまとめます。
■① 花見祭りで想定すべきリスクは「火・群衆・天候」
花見祭りの事故は、だいたいこの3系統で起きます。
・火(屋台、発電機、喫煙、炭)
・群衆(転倒、踏み、迷子、パニック)
・天候(強風、雷、豪雨、低体温)
防災リーダーは、すべてを完璧にする役ではなく、「止める判断」と「動かす合図」を準備する役です。
■② 防災リーダーの仕事は「判断の一本化」
現場が荒れるのは、情報がバラバラに出るときです。
・誰が中止判断を出すか
・誰が避難先を指示するか
・誰が救急要請をするか
これを最初に決めます。役割を決めるだけで、迷いが減り、行動が揃います。
■③ “1枚マニュアル”に書くのは8項目だけ
1枚に収めるなら、項目は絞ります。
1)集合場所(運営の拠点)
2)避難方向(2方向あると強い)
3)危険エリア(立入禁止の範囲)
4)中止判断の基準(風・雷・増水など)
5)連絡手段(拡声器/防災行政無線/SNS/回覧)
6)迷子対応(受付の場所・手順)
7)救急対応(AED位置・119要請役)
8)火気管理(消火器・水バケツ・炭の処理)
“情報を増やさない”のが、現場で効きます。
■④ 避難誘導は「言い方」で決まる
避難誘導は丁寧さより、短く明確が強いです。
・「こちらへお願いします」より
・「安全のため、〇〇方面へ移動してください」
言葉に“理由”を一言入れると、従いやすくなります。
例:「雷が近いため、建物側へ移動してください」
■⑤ 迷子対策は「起きる前提」で作る
花見祭りは迷子が起きます。
・受付(または本部)を“迷子集合地点”に固定
・子どもには保護者の連絡先メモ(腕バンドでも可)
・見つけた人は本部へ
迷子が出た瞬間に、人が勝手に探しに散ると、さらに事故が増えます。本部集約が基本です。
■⑥ 防災士として見た“実際に多かった失敗”
地域イベントで多い失敗は、
・中止判断が遅れる(雷・強風)
・危険エリアの線引きが曖昧(崖側、河川敷)
・指示が複数から出る
です。現場を守るのは、勇気より「止める基準」と「一本化」です。
■⑦ 被災地経験からの実感「本部が落ち着くと全体が落ち着く」
被災地派遣では、避難所でも現場でも、拠点(本部)が落ち着いていると人が安心し、無駄な動きが減りました。LOとして自治体と動く中でも、情報の出し方が整理されるだけで混乱が減る場面を何度も見ました。花見祭りも同じで、防災リーダーが“迷わない枠”を作るだけで、参加者は落ち着いて動けます。
■⑧ 自治会の避難誘導マニュアル(そのまま使える文章例)
本部役は、次の短文を用意しておくと強いです。
・中止案内:「安全のため、本日の催しは中止します。〇〇方面へ移動してください。」
・雷:「雷が近いため、木の下に留まらず、建物側へ移動してください。」
・強風:「強風のため、火気の使用を停止します。シート・のぼりの固定をお願いします。」
・迷子:「迷子の対応は本部で行います。お心当たりの方は本部までお願いします。」
短文を事前に決めておくと、言葉が揃い、混乱が減ります。
■まとめ|自治会の防災リーダーは「1枚マニュアル」と「判断の一本化」で機能する
地域花見祭りは、火・群衆・天候のリスクが重なるため、防災リーダーの存在が安全を左右します。大事なのは、判断を一本化し、避難方向・危険エリア・中止基準を“1枚”にまとめること。短い案内文を用意しておけば、現場は落ち着き、事故を減らせます。
結論:
花見祭りの防災リーダーは「判断の一本化」と「1枚マニュアル」で十分に現場を守れます。
防災士として、現場は完璧な計画より“迷わない型”が強いと感じます。自治会の力で、安全に楽しい祭りを続けるための土台になります。
出典:https://www.fdma.go.jp/

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