【防災士が解説】夏の熱中症から避難中に健康維持はどう考える?崩れないための判断基準

夏に地震や豪雨で避難する時、健康維持というと「大きな病気をしないこと」と思われがちです。ですが、実際の避難生活で崩れやすいのは、もっと手前の部分です。暑さで眠れない、水を飲む量が減る、食欲が落ちる、汗で不快感が強くなる、動きすぎて疲れが抜けない。こうした小さな崩れが重なると、熱中症だけでなく、持病の悪化や体力低下にもつながりやすくなります。

内閣府・厚生労働省の「災害時の熱中症予防」でも、災害時は慣れない環境や作業、被災や避難生活に伴う疲労、体調不良、栄養不足などで熱中症リスクが高くなる可能性があり、避難生活では普段以上に体調管理を心掛けることが大切とされています。

つまり、夏の避難中の健康維持で大切なのは、「特別な健康法」をすることではなく、飲む・食べる・休む・動きすぎないを崩さないことです。この記事では、その判断基準を現実的な順番で整理して解説します。

■① まず結論として、健康維持で最優先にすべきことは何か

結論から言うと、最優先にすべきことは、生活の基本を切らさないことです。

具体的には、
水分を取る
少しでも食べる
休む
無理をしない
この4つです。

夏の避難では、暑さだけでも体力を削られます。そこに寝不足や食欲低下が重なると、体はかなり持ちにくくなります。だから、健康維持というと難しく聞こえても、実際にやることは「基本を止めない」ことです。

元消防職員として感じるのは、被災地で崩れにくい人は「特別に強い人」ではなく、「小さな基本を切らさなかった人」だという点です。私なら、夏の避難では
まず飲む
次に休む
そのあと少し食べる
この順で整えます。

■② なぜ避難中は健康維持が難しくなるのか

理由は、体に悪い条件がいくつも同時に重なるからです。

避難中は、暑さ、疲労、騒音、不安、トイレ不安、慣れない場所での生活が続きます。すると、水分補給や食事が後回しになり、睡眠も浅くなりやすいです。しかも、本人は「このくらい仕方ない」と思ってしまいがちです。

被災地派遣の現場でも、最初は元気そうでも、数日たって急にしんどくなる人は少なくありませんでした。だから、健康維持は「今元気か」だけではなく、「この状態を明日も続けられるか」で見る方が現実的です。

■③ 健康維持で毎日確認したいことは何か

毎日確認したいのは、次の4つです。

「今日は水分を取れているか」
「少しでも食べられているか」
「少しでも休めているか」
「いつもよりだるくないか」

この4つは単純ですが、かなり大事です。避難生活では、体調を崩す時に、たいていこのどれかが先に落ちています。

私なら、「健康を維持しよう」と大きく考えるより、「この4つが今日も回っているか」を見る方をすすめます。その方が続けやすく、崩れにも気づきやすいです。

■④ 水分と食事はどちらを優先するべきか

まず優先したいのは、水分です。

夏の避難では、水分不足が最初の崩れになりやすいです。ただし、水だけで終わらせず、少しでも食べることも大切です。食欲がなくても、ゼリー、スープ、やわらかいパン、おにぎり半分でもいいので、口に入る物を探した方がよいです。

元消防職員としても、被災地では「飲めているけれど食べていない人」や「少し食べるけど飲めていない人」がじわじわ弱りやすい印象がありました。だから、私は
まず飲む
次に少し食べる
の順で見ます。

■⑤ 休息は健康維持にどのくらい関係するのか

かなり関係します。休息は健康維持の中心の一つです。

避難中は「座っているから休めている」と思いやすいですが、実際には暑さや不安で体が休まっていないことがあります。夜に眠れなかったり、昼間も気を張り続けたりすると、体力も判断力も落ちやすくなります。

被災地でも、夜に少しでも戻せた人の方が、翌日を持ちこたえやすかったです。だから、健康維持では「何時間寝たか」より、「少しでも戻せたか」を重く見た方が現実的です。

■⑥ 持病がある人は何を意識すべきか

持病がある人は、普段のリズムをできるだけ切らさないことが大切です。

特に、服薬、水分制限や塩分制限がある人、呼吸器や循環器に不安がある人は、避難中の暑さで揺れやすくなります。だから、「避難中だから仕方ない」で済ませず、普段の薬や必要な物を優先して確保した方が安全です。

私なら、持病がある人の健康維持では「一般的な熱中症対策」に足す形ではなく、「その人の普段の生活をどう維持するか」から考えます。その方が現実的です。

■⑦ 高齢者や子どもでは健康維持の見方はどう変わるのか

高齢者や子どもでは、本人任せにしないことがかなり大事です。

高齢者は暑さやのどの渇きに気づきにくく、子どもは疲れていても言葉でうまく伝えられないことがあります。だから、「しんどい?」と聞くだけでなく、飲んでいるか、食べているか、顔色はどうか、動きすぎていないかを周囲が見た方が安全です。

私なら、家族避難では「一番元気な人」に合わせません。「一番弱い人が今日も回っているか」で健康維持を見ます。その方が全体が崩れにくいです。

■⑧ 健康維持でやってはいけないことは何か

一番避けたいのは、我慢を続けることです。

もう一つは、「まだ動けるから大丈夫」と考えることです。夏の避難では、動けているうちに体の中ではかなり削られていることがあります。だから、症状がはっきり出てから動くより、「少し変だな」で止まる方が安全です。

私なら、健康維持では「限界まで頑張る」を前提にしません。むしろ、「少し余裕があるうちに引く」方が、結果的に長く持ちこたえやすいと考えます。

■⑨ 迷った時の判断基準

迷ったら、次の順番で考えてください。

「今日はちゃんと飲めているか」
「少しでも食べられているか」
「少しでも休めているか」
「一番弱い人が無理していないか」

この4つが整理できれば、夏の避難中の健康維持としてはかなり現実的です。防災では、「元気そうに見えるか」より「生活の基本が回っているか」の方が大切です。

■⑩ まとめ

夏の熱中症から避難中に身を守る健康維持で大切なのは、飲む・食べる・休む・無理をしない、という生活の基本を切らさないことです。内閣府・厚生労働省の「災害時の熱中症予防」でも、災害時は疲労、体調不良、栄養不足などで熱中症リスクが高まり、避難生活では普段以上に体調管理を心掛けることが重要とされています。

私なら、夏の避難で一番大事なのは「強く頑張ること」ではなく「生活の基本を崩さないこと」だと伝えます。被災地でも、助かったのは特別なことをした人より、飲む・休む・食べるを淡々と続けられた人でした。だからこそ、まずは水分、次に休息、最後に食事。この順番で整えるのがおすすめです。

出典:https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/pdf/nettyuu-saigaiji.pdf(内閣府・厚生労働省「災害時の熱中症予防」)

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