赤ちゃん・小さな子どもの防災備蓄で、意外と見落とされやすいのが食具(スプーン・フォーク・お皿)です。
離乳食やベビーフードは備えていても、食べさせる道具が合わないと、その場でうまく食べてくれないことがあります。
結論から言うと、子どもの食具を「紙皿や使い捨てスプーンで何とかなる」と考えると危険です。
災害時は環境の変化で食欲が落ちやすく、そこに“使い慣れていない食具”が重なると、さらに食べにくくなるからです。
だからこそ、いつも使っているスプーンや食べ慣れた形の食具を少量でも備えておく方が助かります。
■① 危ないのは「食べ物さえあれば大丈夫」と考えることです
赤ちゃんや小さい子どもは、大人のように空腹だから何でも食べるとは限りません。
特に避難生活では、
- いつもと違う場所
- 落ち着かない雰囲気
- 人の多さ
- 眠さや不安
- 慣れない食具
が重なると、食事が進みにくくなります。
つまり、防災では中身だけでなく、どう食べさせるかも同じくらい大事です。
■② 伊勢崎市も「使い慣れた食具」を備えるよう案内しています
伊勢崎市の「赤ちゃんのための防災グッズ チェックリスト」では、
食具(お皿・スプーン)について、いつもと違うスプーンを嫌がって食べてくれないことがないよう、使い慣れたものを備えておきましょうと案内しています。 (city.isesaki.lg.jp)
これはかなり実務的です。
防災では、立派な食器より今その子が受け入れやすい物の方が助かります。 (city.isesaki.lg.jp)
■③ 判断基準は「疲れていても食べさせられるか」です
備えが足りているかは、次の問いで分かりやすいです。
親が疲れていても、その食具で子どもに食べさせられるか。
ここで不安があるなら、まだ弱いです。
- 使い捨て食具しかない
- 家にあるが持ち出し袋に入っていない
- サイズが今の子どもに合っていない
- 口当たりが違うと嫌がる
- 予備がない
赤ちゃん防災では、とりあえず食べさせるより、食べやすい条件を少しでも残す方が助かります。
■④ 助かるのは「いつもの1本」を入れておくことです
防災用だから特別な物を買う必要はありません。
実際に強いのは、
- いつものスプーン
- いつものフォーク
- いつもの小皿
- いつものマグや容器
のような、普段使っている物です。
赤ちゃんや小さい子どもは、形や感触が変わるだけで食べ方が崩れることがあります。
防災では、新しい物よりいつもの物を少し多めに持つ方が現実的です。
■⑤ 被災時は「食べないこと」が親の不安を大きくします
元消防職員としての感覚でも、被災時は「食べ物があるのに食べない」ことが、親にとってかなり大きな不安になります。
- 栄養が足りるか心配
- 水分が取れているか不安
- ぐずりが増える
- 親も焦る
- 周囲にも気を遣う
だからこそ、食具は脇役ではなく、食事を成立させる道具として見た方がいいです。
■⑥ 危ないのは「紙皿だけに頼る」ことです
紙皿や使い捨てスプーンは衛生面で便利です。
ただ、子どもによっては
- 口当たりが嫌
- 深さが合わない
- すくいにくい
- 手に持ちにくい
ことがあります。
そのため、防災で強いのは
- 使い捨て食具
- いつもの食具
の両方を持つことです。
衛生面の便利さと食べやすさを分けて考える方が実用的です。
■⑦ 月齢や成長で食具は変わるので入れっぱなしは弱いです
食具も、おむつや服と同じで成長に合わせて変わります。
- 柄の長さ
- 口に入る大きさ
- 手づかみ中心かどうか
- マグの形
が変わるため、昔のまま入れっぱなしだと、いざという時に合わないことがあります。
防災では、今の子どもに合っているかまで見た方が助かります。
■⑧ 今日やるなら「いつものスプーンを1本入れる」のが正解です
今日すぐやるなら、ここからで十分です。
- いつものスプーンを1本選ぶ
- 小皿か小さめ容器を1つ入れる
- 使い捨て食具も少量入れる
- 持ち出し袋にまとめる
- 月齢に合っているか確認する
これだけでも、食事のしやすさはかなり変わります。
防災では、豪華な食事セットより食べ慣れた1本の方が助かることがあります。
■まとめ
子どものスプーンやお皿は、慣れない物だと危険です。
災害時は環境の変化で食欲が落ちやすいため、使い慣れた食具を少量でも備えておく方が助かります。
被災時に強い備えは、“食べ物がある備え”だけでなく“食べやすい状態を作れる備え”です。
いつものスプーンや小皿を1つ入れておくだけでも、親子の食事の負担はかなり軽くなります。

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