【防災士が解説】新人の防災担当は何から始めるべきか|最初の1週間で外さない判断基準

新しく防災担当になった時、
「何から手を付ければいいのか分からない」
「備蓄から見るべきか、マニュアルから読むべきか」
「前任者がやっていたことをそのまま引き継げばいいのか」
と迷う人は少なくありません。

結論から言えば、新人の防災担当が最初にやるべきことは、“防災用品を増やすこと”ではなく、“自組織が何を守るべきか、どこで被災しうるか、非常時に誰が何を決めるか”を先に整理することです。
内閣府の事業継続ガイドラインは、BCPを含む事業継続マネジメントについて、必要性・有効性・実施方法・策定方法を示しています。
また、国土交通省のハザードマップポータルサイトは、住所検索で地点ごとの災害リスクや取るべき行動を確認できるよう整備されています。

防災士として率直に言えば、新人の防災担当が最初に失敗しやすいのは、
“備える物”から入って、“守る業務”と“起こりうる被害”を後回しにすること
です。
元消防職員として現場や被災地派遣、LO対応を経験して強く感じるのは、災害対応で本当に差がつくのは、モノの量より初動で迷わない設計です。
新人のうちは、全部を完璧にやろうとするより、まず全体図をつかむ方が現実的です。

■① 最初に読むべきなのは「自組織の防災マニュアル」と「BCP」

新人の防災担当が最初にやるべきことは、まずいまあるルールを読むことです。

特に確認したいのは、
・防災マニュアル
・災害対応マニュアル
・BCP(事業継続計画)
・緊急連絡網
・防災訓練の記録
です。

内閣府の事業継続ガイドラインは、BCPを含む事業継続マネジメントの目的を、企業・組織の自主的な事業継続能力の向上にあるとしています。
つまり、防災担当の仕事は「防災用品の管理」だけではなく、止めてはいけない業務を守ることまで含みます。

防災士として言えば、新人のうちは自分で新しい仕組みを作る前に、
今の組織が何を前提に動いているか
を知ることが大切です。
前任者のやり方を丸のみするのではなく、文書で確認した方がずれにくいです。

■② 次にやるべきは「自拠点の災害リスク確認」

マニュアルを読んでも、拠点のリスクが分からなければ判断は弱いです。

そこで次にやるべきなのが、
自分の職場がどんな災害リスクにさらされているか確認すること
です。

国土交通省のハザードマップポータルサイトは、住所や現在地から洪水・土砂災害・津波などの災害リスクを確認できる仕組みを提供しています。
つまり、防災担当になったら、まず
・洪水浸水想定
・土砂災害警戒区域
・津波浸水想定
・周辺の避難場所
を確認するのが現実的です。

防災士として率直に言えば、防災担当の失敗で多いのは、
全国共通の防災
で考えてしまうことです。
でも実際には、
川の近くなのか
崖の近くなのか
海が近いのか
停電しやすい地域なのか
で優先順位は変わります。
だから、新人の最初の仕事は「一般論を学ぶこと」より、自分の職場の災害地図を読むことです。

■③ 非常時優先業務を3つに絞って把握する

新人の防災担当が最初から全部の業務を理解するのは難しいです。
だからこそ、まずは
非常時に止めてはいけない業務を3つ程度に絞って把握する
のが現実的です。

内閣府や自治体向けの業務継続の考え方でも、大規模災害時には通常業務を全部守るのではなく、優先業務を定めることが重要とされています。 oai_citation:1‡防災情報ポータル

たとえば、
・安否確認
・顧客対応や住民対応
・重要設備の確認
・情報発信
・決裁権者への報告
などです。

防災士として言えば、新人のうちは
「全部知る」
より
止められない仕事を先に知る
方が役に立ちます。
元消防職員としても、災害時は全部を同時に守れません。
だから優先順位の整理が重要です。

■④ 指揮命令系統を確認する

防災担当になったら、必ず確認したいのが
誰が最終判断をするのか
です。

たとえば、
・災害対策本部長は誰か
・代行順位はどうなっているか
・夜間や休日の連絡先は誰か
・現場判断で止めていい範囲はどこか
を見ます。

防災士として率直に言えば、防災担当が一番困るのは、
決める人が分からない状態
です。
元消防職員としても、現場が混乱する時は、だいたい指揮命令系統が曖昧です。
だから新人の最初の仕事の一つは、マニュアルより先に
誰に確認すればよいか
を把握することです。

■⑤ 備蓄は「量」より「使う場面」で見る

新人の防災担当は、備蓄倉庫を見ると仕事をした気になりやすいです。
でも、備蓄確認は数を数えるだけでは弱いです。

見るべきなのは、
・何人分か
・何日分か
・どこにあるか
・誰が開けるか
・停電時にも使えるか
です。

防災士として言えば、備蓄は
あること
より
出せること
の方が大事です。
元消防職員としても、被災地では「備蓄はあったが鍵が分からない」「担当者が休みで出せない」ということは珍しくありません。
新人のうちは、在庫表を見るだけでなく、実際に取り出せるかまで見た方が強いです。

■⑥ ハザードマップと避難先を「歩いて」確認する

ハザードマップを見るだけで終わるのも、初心者がやりやすい失敗です。
本当に大事なのは、
実際に歩いて確認すること
です。

たとえば、
・職場から避難場所まで何分かかるか
・途中に危険箇所はないか
・車が使えない場合どうなるか
・夜間でも分かるか
を見ます。

防災士として率直に言えば、地図上で安全でも、現地では
段差
狭い道
冠水しやすい場所
などがあります。
元消防職員としても、現場で強い人は「図面で知っている人」より、実際に歩いた人です。

■⑦ まずは前年度資料を3つ集める

新人防災担当が最初に集めるべき資料は、次の3つです。

・前年度の訓練記録
・前年度の点検記録
・前年度の事故・ヒヤリハット記録

これを見ると、
・何を毎年やっているか
・どこで詰まりやすいか
・前任者が苦労した点
が見えます。

防災士として言えば、新人の強みは「素直に前例を見られること」です。
元消防職員としても、災害対応で怖いのはゼロから考えることではなく、
前に起きた失敗を知らずに同じことを繰り返すこと
です。

■⑧ 最初の1週間で作るべきメモ

新人の防災担当は、最初の1週間で次の5点を1枚にまとめるとかなり動きやすくなります。

・災害時の指揮命令系統
・緊急連絡先
・重要マニュアルの場所
・ハザードマップ上の主要リスク
・備蓄と重要設備の場所

防災士として率直に言えば、この1枚があるだけで、かなり違います。
全部覚える必要はありません。
まずは
探さなくていい状態
を作る方が現実的です。

■⑨ まとめ

新人の防災担当が最初にやるべきことは、“防災用品を増やすこと”ではなく、“自組織が何を守るべきか、どこで被災しうるか、非常時に誰が何を決めるか”を整理することです。
内閣府の事業継続ガイドラインは、BCPを含む事業継続マネジメントの必要性と実施方法を示しており、国土交通省のハザードマップポータルサイトは、住所検索で地点ごとの災害リスク確認ができるようになっています。

防災士として強く言えるのは、新人の防災担当で一番大切なのは
完璧に知ること
ではなく、
優先順位をつけて全体像をつかむこと
だということです。
迷ったら、
・マニュアルとBCPを読む
・拠点のリスクを確認する
・優先業務と指揮命令系統を押さえる
この3つから始めるのが一番現実的です。

出典:内閣府「事業継続ガイドライン」

参考:国土交通省「ハザードマップポータルサイトのリニューアルについて」

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