【防災士が解説】水害時の持ち出し品は何を優先すべきか|非常持ち出しバッグで外さない判断基準

大雨や台風が近づく時、
「非常持ち出しバッグには何を入れればいいのか」
「地震用の非常袋と同じでいいのか」
「荷物は多い方が安心なのか」
と迷う人は少なくありません。

結論から言えば、水害時の持ち出し品で最も大切なのは、“たくさん入れること”ではなく、“すぐ逃げる時に本当に必要な物を軽くまとめること”です。
水害では、地震のように長期の瓦礫対応よりも、まず早く安全な場所へ移動することが優先になります。だから、非常持ち出しバッグは「避難所生活の全装備」ではなく、「逃げる途中と避難直後を支える最低限セット」と考える方が現実的です。

元消防職員として率直に言えば、水害時に一番危ないのは、
持ち物を迷って逃げるのが遅れること
です。
東日本大震災当時に東京で被災し、その後の被災地派遣やLO対応でも強く感じたのは、災害時は「何を持つか」より先に「いつ出るか」が大切だということです。バッグの中身は大事ですが、それで避難開始が遅れるなら本末転倒です。だから水害の持ち出し品は、軽く、すぐ持てて、暗い中でも迷わない形にしておく方が現実的です。

■① 最初に考えるべきは「重さ」より「避難のしやすさ」

非常持ち出しバッグを考える時、最初に意識したいのは、
逃げやすい重さか
です。

国土交通省は、水害時の避難では貴重品、衣類、非常用食品、懐中電灯、ラジオを準備しつつ、荷物は必要最低限にするよう案内しています。
つまり、水害の持ち出し品は「入るだけ入れる」のではなく、背負ってすぐ動ける量に絞る方が安全です。

防災士として言えば、水害では
重いバッグ
そのものが避難の妨げになります。
特に雨、暗さ、ぬれた路面、子ども連れ、高齢者同行の条件が重なると、重さはかなり負担になります。

■② 最低限、まず入れたいのは「命・連絡・光」に関わる物

水害時の非常持ち出しバッグで、最初に優先したいのは次の3系統です。

・命を守る物
・連絡を保つ物
・暗闇をしのぐ物

気象庁は非常持ち出し品の例として、飲料水、レトルト食品、救急医薬品、常備薬、現金、健康保険証などの身分証、懐中電灯、ラジオ、電池などを挙げています。
つまり、最初の基本は
・飲料水
・少量の食料
・常備薬
・スマホと充電手段
・ライト
です。

防災士として率直に言えば、水害時の持ち出し品で最初に抜けると困るのは、
薬、連絡手段、明かり
です。
元消防職員としても、この3つがあるだけで避難直後の不安はかなり減ります。

■③ 最低限セットに入れたい具体例

水害時の「最低限セット」として、まず入れやすいのは次のようなものです。

・飲料水
・すぐ食べられる非常食
・モバイルバッテリー
・スマホ充電ケーブル
・懐中電灯
・常備薬
・保険証の写しや身分証
・現金
・タオル
・マスク
・ごみ袋
・雨具

気象庁が例示する非常持ち出し品とも重なる部分が多く、まずはここが土台になります。
防災士として言えば、最初のバッグは
完璧
より
土台があること
が大切です。

■④ 水害では「ぬれて困る物」を守る工夫がかなり重要

水害の持ち出し品で地震時以上に意識したいのが、
ぬれ対策
です。

バッグの中に入れる物は、
・チャック付き袋
・防水ポーチ
・ビニール袋
などで小分けした方が実務的です。

特に、
・スマホ
・充電器
・薬
・身分証
・現金
は、ぬれると一気に困ります。
気象庁の例示にも現金や証明書類、常備薬などが含まれており、こうした物は防水しておく方が現実的です。

防災士として率直に言えば、水害では
持っていること
より
使える状態で持っていること
が大事です。
元消防職員としても、避難後に「持ってきたけど全部ぬれた」はかなり痛いです。

■⑤ プラスαで入れたいのは「個別事情に応じた物」

最低限セットに加えて、家庭ごとに必要な物を足します。

たとえば、
・乳幼児がいる → 粉ミルク、哺乳びん、紙おむつ
・女性 → 生理用品
・眼鏡使用者 → 予備の眼鏡
・持病がある → 常備薬、お薬手帳
・高齢者がいる → 介護用品
などです。

気象庁も、粉ミルク、哺乳びん、紙おむつ、生理用品、予備の眼鏡などを例示しています。
防災士として言えば、非常持ち出しバッグは
全員共通の部分

家族ごとの個別部分
を分けて考えると整理しやすいです。

■⑥ 水害では「長靴」より「歩きやすい靴」が無難なことが多い

ここは意外と大事です。

気象庁の例では「靴」も持ち出し品に含まれていますが、水害時は深い冠水路を歩く前提で長靴を選ぶと、かえって動きにくくなることがあります。状況によっては水が入ったり、足を取られたりしやすいため、歩きやすく脱げにくい靴の方が現実的なことも多いです。

防災士として率直に言えば、避難時の足元は
防水性だけ
でなく
歩けること
を重視した方がいいです。
元消防職員としても、避難では「動ける靴」の方が強いです。

■⑦ 被災地経験から見ても「情報を取れる持ち物」がかなり重要

被災地派遣やLO対応で強く感じたのは、
避難後は
食料以上に情報不足が不安を強くする
ことがあるということです。

だから、
・スマホ
・充電手段
・ラジオ
・メモ
はかなり重要です。

気象庁も非常持ち出し品としてラジオや筆記用具を挙げています。
元消防職員として率直に言えば、避難所や親戚宅へ移った後は、
今どうなっているか
が分かるだけで落ち着きやすいです。
だから水害時の持ち出し品では、情報系を軽く見ない方がいいです。

■⑧ まとめ

水害時の持ち出し品で最も大切なのは、“たくさん入れること”ではなく、“すぐ逃げる時に本当に必要な物を軽くまとめること”です。
気象庁は非常持ち出し品の例として、飲料水、レトルト食品、常備薬、マスク、紙おむつ、生理用品、現金、保険証などの身分証、雨具、懐中電灯、ラジオ、電池、ごみ袋などを挙げています。国土交通省も水害時の避難では、貴重品、衣類、非常用食品、懐中電灯、ラジオを準備し、荷物は必要最低限にするよう案内しています。

元消防職員として強く言えるのは、水害時の非常持ち出しバッグで一番大切なのは
安心のために増やすこと
ではなく、
避難の邪魔をしないこと
だということです。
迷ったら、
・水
・薬
・連絡手段
・明かり
この4つを優先して入れるのが一番現実的です。

出典:気象庁「自分で行う災害への備え」

参考:国土交通省「避難時に注意すること」

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