【防災士が解説】簡易カーテンで車内プライバシー確保|避難のストレスを一段下げる現実策

車中泊避難で一番じわじわ効くのが「人の目」と「光」です。外から見られる不安があると落ち着けず、車内灯や街灯で眠りも浅くなります。
被災地支援で避難所・車中泊の両方を見てきた感覚としても、プライバシーが確保できる人ほど精神的に安定し、トラブルも減ります。ここでは、簡易カーテンを“安全・低コスト・すぐできる”順でまとめます。

目次

  • ■① 車内カーテンが必要になる3つの理由
  • ■② 最短で作る「3段階」:応急→常備→最適
  • ■③ 失敗しない固定方法(落ちない・危なくない)
  • ■④ 夜間の安全:外から見えない=防犯とは限らない
  • ■⑤ 冬の結露・夏の熱気|カーテンの副作用対策
  • ■⑥ 子ども・女性・高齢者がいる場合のポイント
  • ■⑦ やらなくていいこと(ムダ・危険・逆効果)
  • ■⑧ 今日の最小行動
  • ■まとめ

■① 車内カーテンが必要になる3つの理由

車中泊避難でカーテンが効くのは、主にこの3つです。

1) 心理の安定
外から見られている感覚は、想像以上に疲れます。安心して着替え・休憩ができるだけで回復力が上がります。

2) 睡眠の質
街灯・対向車のライト・早朝の日差しで目が覚めるのを防げます。避難では睡眠が命綱です。

3) 防寒・遮熱の補助
窓から熱が逃げる/入るのを減らし、体感が変わります(ただし換気は必須)。


■② 最短で作る「3段階」:応急→常備→最適

避難は「今すぐ」と「後で整える」を分けると失敗しません。

①応急(今日すぐ)

  • バスタオル・ブランケットを窓にかける
  • サンシェード(フロント用)を横窓にも流用
  • 新聞紙+ガムテ(短期限定)

ポイント:応急は“落ちない”ことが最重要です。

②常備(現実的に最強)

  • 100均の突っ張り棒+クリップ
  • マグネットクリップ(車種によって効く)
  • 吸盤フック+布(吸盤は落ちやすいので補助扱い)

「安く、作り直しが効く」方法が避難向きです。

③最適(余裕ができたら)

  • 車種専用のシェード(全面セット)
  • 断熱材入りカーテン
  • 面ファスナー(マジックテープ)で固定

常備に比べて快適ですが、まずは②が完成すれば十分に戦えます。


■③ 失敗しない固定方法(落ちない・危なくない)

車内は段差・振動・結露で、固定が甘いとすぐ落ちます。安全面の優先順位はこうです。

  • エアバッグ周辺に干渉させない(助手席前・Aピラー周り)
  • 運転席の視界を妨げない(走行中は必ず撤去)
  • 火気を使うなら布は離す(カセットコンロ等)

おすすめは、停車中だけ使う前提で「突っ張り棒+クリップ」です。
落下が少なく、撤収も早いからです。


■④ 夜間の安全:外から見えない=防犯とは限らない

カーテンで見えなくなると安心しますが、逆に「中で何してるか分からない車」になり、周囲の警戒を招くこともあります。
避難で安全を上げるなら、次のセットが現実的です。

  • 車を停める場所は「人の目がある」「街灯がある」方が基本は安全
  • ただし車内は見えないようにする(矛盾に見えるけど両立する)
  • 貴重品は見える場所に置かない(見えない車でも盗難は起きる)

「隠す」だけでなく「停める場所」が防犯の9割です。


■⑤ 冬の結露・夏の熱気|カーテンの副作用対策

カーテンは窓を塞ぐので、空気がこもります。放置すると結露・カビ・熱中症リスクにつながります。

  • 冬:結露が出るなら少し換気(数cmでも効果あり)
  • 夏:完全密閉は危険。風の通り道を作る
  • 濡れた布は乾かす(車内は乾きにくい)

「遮る」と「換気」をセットで考えるのが車中泊の基本です。


■⑥ 子ども・女性・高齢者がいる場合のポイント

  • 子ども:朝日で早朝に起きやすい → 遮光は効果大
  • 女性:着替え・トイレ動線の不安が大きい → 目隠しの価値が高い
  • 高齢者:暑さ寒さが負担になりやすい → 断熱より換気と体温管理を優先

「快適」より「安全」を優先して、完全密閉は避けるのが無難です。


■⑦ やらなくていいこと(ムダ・危険・逆効果)

  • 走行中にカーテンを閉めたまま(視界不良で危険)
  • ガムテで窓全面を密閉(換気できず結露・熱中症リスク)
  • 燃える素材を火気の近くに固定(車内火災リスク)

■⑧ 今日の最小行動

  • 100均で「突っ張り棒2本」「クリップ4個」を用意
  • 家のバスタオル2枚を車に入れる
  • 夜に一度、実際に付けて“落ちない位置”を決める

これだけで、車中泊避難のストレスは確実に下がります。


■まとめ

車内の簡易カーテンは、贅沢ではなく「心と睡眠を守る装備」です。
応急→常備→最適の順で整え、固定は安全最優先。
完全密閉は避け、遮光と換気をセットで運用すると、避難生活の質が一段上がります。


出典:内閣府「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針(プライバシー確保等)」
https://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/pdf/1605kankyokakuho.pdf

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