【防災士が解説】防災と家計管理|“耐災害力”を上げるお金の設計図

防災というと、水や食料、家具固定を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、実際に被災地で強さを分けるのは「お金の余白」です。

防災士として現場に立った経験から断言できます。
生活を立て直せる人は、“物”より先に“設計”を持っています。
今日は、耐災害力を高める家計の作り方を整理します。


■① 耐災害力とは何か|壊れにくく、戻れる力

耐災害力とは、災害に耐える力ではなく、

・生活が壊れにくい
・収入が一時止まっても持ちこたえられる
・判断を焦らない
・再建まで走り切れる

この「戻れる力」のことです。

物資は消耗します。
しかし家計設計は、復元力そのものです。


■② 被災地で見た現実|家計の差が心の余裕を分ける

被災地派遣・LOとして生活再建支援に入った際、はっきり感じた差があります。

・手元資金が数十万円ある家庭
・ほぼゼロの家庭

同じ被害でも、判断の質がまったく違いました。

元消防職員として現場で見たのは、「お金がある=贅沢」ではなく、「選択肢がある=冷静でいられる」という事実です。

焦りは、誤契約・高額修理・詐欺被害につながります。


■③ 最低ラインはいくら?|生活費3〜6か月が目安

一般的な目安は生活費3〜6か月分。

例:
・月25万円生活なら75〜150万円
・月30万円なら90〜180万円

すぐに用意できなくても構いません。
重要なのは「目標ラインを決めること」です。

数字があると、行動が具体化します。


■④ やらなくていい防災|完璧な備蓄より固定費削減

よくある誤解は、「備蓄を増やせば安心」という考え。

しかし実際は、

・通信費
・サブスク
・保険の過剰加入
・不要な固定費

これらを整理する方が、耐災害力は上がります。

備蓄は消費型。
家計の見直しは持続型。

優先順位を間違えないことが重要です。


■⑤ 今日できる最小行動|家計の“防衛ライン”を書く

今日できる最小行動は、これだけです。

「今月いくらあれば最低限回るか」を紙に書く。

・住居費
・光熱費
・食費
・通信
・保険

最低ラインを知るだけで、不安が半分になります。

不安の正体は「曖昧さ」です。


■⑥ 収入が止まったら?|優先順位の設計

収入が止まった場合の順番も決めておきます。

  1. 生活費確保
  2. 固定費圧縮
  3. 公的支援確認
  4. 保険請求
  5. 副収入・臨時対応

順番が決まっていると、混乱しません。

防災は“判断を軽くする準備”です。


■⑦ 投資と防災は矛盾しない|余剰と安全資金の分離

投資をしている人ほど、分けて考えることが大切です。

・生活防衛資金(現金)
・中長期資産(投資)

これを混ぜると、暴落時に焦ります。

耐災害力とは、「下がっても触らなくていい構造」を作ること。

元消防職員として感じるのは、冷静さは設計で生まれるということです。


■⑧ 結論|家計設計こそ最大の防災

家具固定も、備蓄も、保険も大切です。

しかし最後に生活を守るのは、

・現金余力
・固定費の軽さ
・優先順位の明確さ

この3つです。

被災地で強かった家庭は、共通して「家計が重くなかった」。

これは偶然ではありません。


■まとめ|お金の設計が“心の安定”を作る

防災とは、物を積むことではなく、壊れにくい構造を作ること。

生活費3〜6か月の目標を決め、固定費を軽くし、順番を決める。

これだけで耐災害力は一段上がります。

結論:
最大の防災は「家計の余白」。余白があると、人は冷静に戻れる。

防災士として、そして現場経験者として言えるのは、
心の安定は偶然ではなく、設計で作れるということです。
まずは今月の最低ラインを書き出すところから始めましょう。


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