仙台市で開催された「防災パークinあらはま」では、VR体験や防災クイズ、災害対応車両の展示などを通じて、子どもから大人までが楽しみながら防災を学びました。震災から15年という節目を前に、「知っている」から「動ける」へ意識を変える取り組みです。
防災は、頭で理解するだけでは足りません。被災地派遣やLOとして現場に入ったとき、強く感じたのは「体で覚えている人ほど動ける」という事実です。疑似体験は、行動のスイッチを入れる装置になります。
■① VR体験が強い理由|“怖さ”が判断を早くする
VRで被災状況を体験すると、家具の転倒やガラスの飛散がリアルに迫ります。画面で見るのとは違い、自分がその場にいる感覚が生まれます。
- 家具固定の重要性を実感できる
- 扉の確保や避難経路の意味が理解できる
- 「まだ大丈夫」という油断が減る
元消防職員として現場を見てきた立場から言うと、実際の地震では“最初の数秒”が勝負です。疑似体験でその数秒を知ることは、大きな意味があります。
■② 子どもへの防災教育は「クイズ形式」が効果的
防災クイズは、受け身ではなく「自分で考える」形式です。
- 地震のとき机の下に入る理由
- 津波警報が出たらどうするか
- 火災時にエレベーターを使わない理由
答えを覚えるのではなく、「なぜそうするのか」を理解すると、応用が利きます。被災地でも、子どもが家族を守る場面を何度も見ました。防災教育は世代を超えて効きます。
■③ 災害対応車両の展示は“裏側”を知る機会
消防車や支援車両の展示は人気ですが、見るべきは“中身”です。
- どんな資機材が積まれているか
- 何人で動くのか
- 到着までにどれくらい時間がかかるのか
現場では、すぐに助けが来るとは限りません。被災地派遣・LO・元消防職員・防災士としての実感でも、初動は自助が基本でした。イベントで裏側を知ることは、「待つ防災」から「動く防災」への転換になります。
■④ “体験型”は記憶に残る|知識より行動を変える
座学で聞いた話は忘れやすいですが、体験は記憶に残ります。
- 揺れの恐怖を疑似体験
- 家具転倒の危険を視覚化
- クイズで自分の理解を確認
体験型防災は、判断のスピードを上げます。災害時は「知っているか」ではなく「すぐ動けるか」が差になります。
■⑤ 家庭で再現できる“簡易疑似体験”
イベントに参加できなくても、家庭でできることがあります。
- 家具が倒れた想定で避難経路を歩いてみる
- 夜間停電を想定し、ライトだけで移動してみる
- ハザードマップを家族で読み合わせる
疑似体験は小さくても効果があります。
■⑥ やらなくていい防災:イベントで満足しない
イベントに参加するだけでは防災力は上がりません。
- 家具固定を実行する
- 非常持出袋を点検する
- 家族の集合場所を決める
行動に落とすことが本当のゴールです。
■⑦ 今日できる最小行動
今日できることは3つです。
- 家具固定が必要な場所を1か所確認
- 家族と「地震の最初の10秒」を話し合う
- 非常持出袋を開けて中身を見る
これだけで初動は変わります。
まとめ
「防災パークinあらはま」のような体験型イベントは、知識を行動に変える力があります。VR体験やクイズは、怖さを通じて判断を早くし、家族の防災意識を底上げします。
結論:
防災は“知る”より“感じる”が強い。疑似体験が、いざという時の10秒を守ります。
被災地派遣の現場でも、落ち着いて動けた人は「想定」を持っていました。体験は想定を作ります。次は、家庭で一歩踏み出してみてください。
出典
khb東日本放送「防災パークinあらはま」(2026年2月21日配信)

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