【防災士が解説】ISUTとは?被害状況を“地図で共有”する仕組みと現場での意味

大規模災害では、「どこで何が起きているか」を正確に把握することが最初の壁になります。
通行止め、孤立地域、土砂崩れ、火災、断水。情報は断片的に入りますが、全体像が見えないと判断は遅れます。

被災地派遣の現場でも、紙地図に手書きで書き込みながら情報を整理していましたが、情報が増えるほど混乱が増していきました。
この“全体像の把握”を支える仕組みの一つがISUTです。
この記事では、ISUTの役割と、なぜ「地図共有」が災害対応で重要なのかを整理します。


■① ISUTとは何か

ISUTは、被害状況や対応状況を地図上で整理・共有するための仕組みです。

・道路の通行止め
・孤立集落の位置
・土砂崩れ箇所
・河川の氾濫状況
・ライフライン被害

こうした情報を“点”ではなく“面”で把握できるようにします。


■② なぜ地図が重要なのか

災害対応は「位置」がすべてです。

・どこが孤立しているか
・どこから救援に入れるか
・どこが危険か
・どこに物資を送るか

地図で共有できると、言葉だけよりも誤解が減り、判断が速くなります。


■③ 現場で変わること|優先順位が見える

被害を地図で整理すると、次が見えてきます。

・孤立地域の優先救助
・救急搬送ルートの確保
・物資配送の最短経路
・二次災害リスクの回避

被災地派遣では、位置が共有されるだけで会議時間が短くなり、実働時間が増える感覚がありました。


■④ 情報は常に変わる|更新の重要性

災害状況は刻々と変化します。

・水位の変化
・道路復旧
・新たな崩落
・避難者数の変動

地図は「作ること」より「更新すること」が重要です。
更新されない地図は、逆に危険を生みます。


■⑤ 課題|情報の精度と通信環境

ISUTのような仕組みも万能ではありません。

・通信断で更新できない
・誤情報が混ざる
・入力者による精度差
・現場の負担増

被災地では、通信が不安定な中で情報共有に苦労する場面もありました。
アナログとの併用が前提になります。


■⑥ 住民にとっての意味

住民側にとっても、地図情報は大きな意味があります。

・避難経路の確認
・危険区域の把握
・復旧見込みの把握
・孤立地域の把握

位置情報が分かるだけで、無理な移動を避けられます。


■⑦ 被災地派遣で感じた“地図の力”

現場では、地図に情報が集まり始めると、全体が落ち着きます。

・話が具体的になる
・感覚論が減る
・優先順位が明確になる
・役割分担が決まる

災害対応は混乱が最大の敵です。
地図共有は混乱を減らす装置です。


■⑧ 今日からできる最小行動

・自宅周辺のハザードマップを確認
・避難経路を地図で家族と共有
・紙地図を1枚用意
・地域の危険箇所を把握
・スマホにオフライン地図を保存


■まとめ|ISUTの本質は“位置情報の共有”で判断を安定させること

ISUTは、被害状況や対応状況を地図上で共有し、関係者が共通の状況認識を持つための仕組みです。
位置情報が整理されることで、優先順位が明確になり、救助・物資・復旧の判断が速くなります。
一方で通信や精度の課題があるため、アナログとの併用と更新体制が重要です。

結論:
ISUTの価値は、被害を“位置で共有”し、混乱を減らして判断を安定させることにある。
防災士として被災地派遣で実感したのは、地図に情報が集まるだけで現場の空気が変わるということです。位置の共有は、命を守る判断を早めます。

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