冬の鍋や焼き肉で出番が増えるカセットコンロ。停電時でも使えるため、防災備蓄として持つ家庭も多い道具です。
ただし一方で、使い方や捨て方を間違えると「爆発」「火災」「やけど」につながります。
私は元消防職員として、火災現場や危険物起因の事故対応を見てきました。災害時(被災地派遣・LO)でも、生活再建の場で“火の道具”のトラブルが起きると一気に生活が崩れます。
ここでは、今日から確実に事故を減らすポイントを、迷わない形でまとめます。
目次
- ■① まず知っておくべき「事故が起きる理由」
- ■② 絶対NG:カセットコンロを“2台並べる”危険
- ■③ 過熱を招く置き方・環境(ストーブ前・こたつ等)
- ■④ 現場目線:事故が起きる家庭の共通点
- ■⑤ 捨て方の最重要:ガスが残ったまま捨てると危ない
- ■⑥ 「シャカシャカ音」の意味と、正しいガス抜き手順
- ■⑦ 保管の基本:家の中で安全に置く場所
- ■⑧ 家族で決める:迷わない運用ルール(1分で完成)
■① まず知っておくべき「事故が起きる理由」
カセットボンベの中身は、液化石油ガスが「液体」と「気体」に分かれて入っています。
ボンベが過熱されると、液体が気体になろうとして膨張し、内部の圧力が上がり続けます。限界を超えた瞬間に破裂します。
“時間が経てば落ち着く”ではなく、加熱が続く限り危険が増えるタイプの事故です。
■② 絶対NG:カセットコンロを“2台並べる”危険
やってはいけない代表が、カセットコンロを2台並べて同時使用すること。
隣のコンロの熱がボンベ側に回り込み、ボンベが異常に熱くなり、破裂のリスクが跳ね上がります。
「鍋を2つ並べたい」「大人数で焼きたい」ほど、危険行動が出やすいので要注意です。
■③ 過熱を招く置き方・環境(ストーブ前・こたつ等)
2台並べだけでなく、次も過熱の原因になります。
- 石油ストーブの前にボンベを置く
- こたつの中にボンベを入れる
- 直射日光が当たる場所に置きっぱなし
- 車内放置(特に晴天時)
現場で怖いのは、「ちょっとだけ」のつもりが積み重なって、本人が“危険域に入った”ことに気づけないことです。
保管は室内の涼しい場所が基本です。
■④ 現場目線:事故が起きる家庭の共通点
元消防の立場で、こういう家庭ほど事故が起きやすいと感じます。
- 「いつも大丈夫だった」が合言葉になっている
- 使い終わった後の片づけが雑(出しっぱなし)
- ボンベの残量確認をしない
- 子どもが触れる位置に置いている
- 捨て方を“なんとなく”で済ませる
災害時は特に、寒さ・疲労・焦りで判断が雑になります。
だから平時に「決めておく」ことが、いちばん強い備えです。
■⑤ 捨て方の最重要:ガスが残ったまま捨てると危ない
カセットボンベを中身が残ったまま捨てると、ごみ収集車の中で発火する恐れがあります。
実際に、カセットボンベが原因とみられるごみ収集車火災が複数発生している地域もあります。
「家庭の中で安全に使う」だけでなく、最後の“捨てる工程”までが安全管理です。
■⑥ 「シャカシャカ音」の意味と、正しいガス抜き手順
ここがこの記事の結論です。
シャカシャカ音=まだガスが残っている
ボンベを振ってシャカシャカと音がする場合、内部にガスが残っています。
そのまま捨てるのはNGです。
ガス抜きは「風通しの良い屋外」で
ガス抜きは、必ず風通しの良い屋外で行います。
屋内・ベランダの奥・車庫の奥など、換気が弱い場所は避けてください。
※市町村ごとの分別ルールがあるため、最終的には自治体の案内に従ってください。
■⑦ 保管の基本:家の中で安全に置く場所
おすすめは、次の条件を満たす場所です。
- 直射日光が当たらない
- 暖房器具から離れている
- 子どもの手が届きにくい
- 倒れたり転がったりしにくい
- 「在庫が見える」ので管理できる
防災備蓄として持つなら、本体(コンロ)とボンベをセットで管理し、定期的に本数を確認できる配置が安全です。
■⑧ 家族で決める:迷わない運用ルール(1分で完成)
最後に、家族で一度決めておくと事故が激減する“家庭ルール”です。
- 2台並べて使わない(絶対ルール)
- ストーブ前/こたつ周りに置かない
- 使ったら「片づけ場所」を固定する
- 捨てる前に振って確認(シャカシャカ=捨てない)
- ガス抜きは屋外、換気が弱い場所は避ける
- 分別は自治体ルールを確認してから出す
この6つだけで、事故の芽はかなり摘めます。
「防災の道具」は、正しく扱えて初めて“命を守る道具”になります。
出典
- TUFテレビユー福島「振ってみて“シャカシャカ”と音がしたらまだ捨てないで カセットボンベ&コンロの注意点」https://newsdig.tbs.co.jp/articles/tuf/2470936


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