11月、大分市佐賀関で発生した大規模火災は、住宅187棟を焼失し、約4万8900㎡を焦土に変えました。
鎮火後、ドローンがとらえた上空映像には、密集した住宅地に突然ぽっかりと空いた“黒い穴”のような焼失跡が広がっています。
私は元消防職員として、多くの火災現場を経験してきましたが、今回のように密集地で延焼が一気に進む火災は、逃げ遅れや生活再建に大きな影響を及ぼす極めて危険な災害です。
この記事では、
・ドローン映像から読み取れる火災の特徴
・なぜ延焼がここまで拡大したのか
・密集地で命を守る行動
などをわかりやすく解説します。
■① ドローン映像が伝えた“焦土化の実態”
上空から見ると、海沿いの住宅街に突然現れる広大な焼失跡。
特徴として👇
- 焼け残った建物でも屋根は陥落
- 窓ガラスはほぼ破損
- 建物の骨組みだけが残る箇所も
- 山林側まで延焼が及んでいる
ドローン映像は、地上から見えない火災の“広がり方・熱の強さ・破壊力”を可視化します。
■② なぜここまで延焼が拡大したのか?
延焼拡大の3大要因👇
① 住宅が密集していた(延焼距離が短い)
海沿いの集落特有の、建物が隙間なく並ぶ構造。
火は数十秒で隣家へ移ることもあります。
② 風の影響を強く受ける地形
佐賀関は海風が強く、火の粉が遠くまで飛ぶ地形。
今回も“飛び火”が無人島・蔦島まで広がりました。
③ 道が狭く、車両が入りにくい
消火活動に必要なスペースが確保しにくい地域は、
初期消火が遅れるだけで延焼リスクが跳ね上がるのが特徴です。
元消防職員として現場を経験してきた感覚で言えば、
「風+密集地」では火災は止まらない。止めるのは雨だけ。」
と言われるほど一気に拡大します。
■③ 夜間火災・住宅密集地で特に危険な理由
住宅密集地では、火災時に次のリスクが重なります。
- 逃げ道が限られる
- 延焼速度が非常に速い
- 高齢者の避難が困難
- 車両避難が渋滞しやすい
もし夜であれば、
煙を吸って気づかないまま逃げ遅れるリスクが倍増します。
■④ ドローンが果たす新しい役割とは?
今回、ヘリの空中消火活動が終わり、禁止区域が解除されてからドローンが飛行。
ドローンは災害現場で👇
- 焼失範囲の把握
- 建物の倒壊リスク確認
- 住民への情報提供
- 現場検証
に役立ちます。
今後、
「ドローン×防災」 は当たり前の組み合わせになります。
■⑤ 住宅密集地に住む人が今すぐできる対策
火災は“住んでいる地域の構造”でリスクが決まります。
特に必要な対策👇
✔ 家の周りに燃える物を置かない
(プランター・段ボール・木材・バイクカバーなど)
✔ すぐ逃げられる動線を確保
寝室から玄関以外の出口まで想定しておく。
✔ 近隣火災時の避難ルートを家族で決める
密集地では道路がすぐ塞がれる可能性があります。
✔ 火災保険を“延焼被害”まで確認
密集地では必須レベル。
■⑥ 高齢者・子どもがいる家庭が注意すべきポイント
- 夜間に避難の声が届きにくい
- 足腰が弱い高齢者は逃げ遅れやすい
- 子どもは煙にパニックを起こしやすい
家庭内の危機管理として👇
「火災時、誰が誰を連れて逃げるか」
を決めておくことが重要です。
■⑦ 飛び火の危険性を軽視してはいけない
今回の火災では、海を越えた無人島・蔦島にも飛び火。
火の粉は👇
200〜500m先まで飛ぶこともある。
自宅から離れた火災でも、
「自分の家は関係ない」と思ってはいけません。
■⑧ 災害後の“情報の可視化”が住民の不安を減らす
ドローン映像の公開には、次のような利点があります。
- 被害の全体像が分かりやすい
- 自宅周辺の状況を把握できる
- 行政の対応が透明化する
- ボランティア・支援が動きやすい
情報は単なる写真ではなく、
住民の安心と行動につながる“防災ツール”です。
■まとめ|「密集地火災」は誰の地域でも起こりうる
今回の大規模火災は、
・密集した街並み
・風
・初期消火の難しさ
が重なり、一気に拡大しました。
これは“特別な地域だけの話”ではありません。
全国の沿岸部・古い住宅街・路地の多い地区にも共通するリスクです。
結論:
密集地に住む人は、火災は「地震より先に来る災害」と考えて備えるべき。
元消防職員として言えるのは、
「火災は“準備している家庭”が助かる」ということです。
今回の火災を他人事にせず、今日からできる対策を始めましょう。

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