モバイルバッテリー、どう捨てればいいか迷っていませんか?
「小さいから普通ごみでいい?」「不燃ごみ?」――実はその“なんとなく”が火災事故につながることがあります。改正資源有効利用促進法により回収体制の強化が進む中、いま一度、正しい捨て方と安全な扱い方を整理します。防災の視点では、これは“環境”の話であると同時に“火災予防”の話です。
■① なぜ捨て方が問題になるのか
モバイルバッテリーの多くはリチウムイオン電池を内蔵しています。圧力・衝撃・破砕に弱く、収集車の圧縮や処理施設での破砕工程で発火する事故が起きています。
元消防職員として現場で感じたのは、「小さいから大丈夫」という誤解の危うさです。小型でも発火の勢いは強く、周囲の可燃物に一気に燃え広がることがあります。
■② 絶対にやってはいけない捨て方
・可燃ごみ/不燃ごみに混ぜる
・電池を外さずそのまま廃棄する
・端子をむき出しのまま出す
誤った廃棄は、あなたの手元を離れた後に事故を起こします。回収現場や処理施設での火災は、社会的コストも大きいのが実情です。
■③ 正しい捨て方の基本
まずは自治体の分別ルールを確認します。多くの自治体では「小型充電式電池」や「小型家電」としての回収、または指定回収拠点への持ち込みが案内されています。
・家電量販店や回収ボックスを利用
・メーカーの回収案内を確認
・端子部分をテープで絶縁
端子の絶縁は、運搬中のショート防止に有効です。
■④ 改正法で何が変わる?
改正資源有効利用促進法により、リチウムイオン電池を使用する一部製品の回収・再資源化が制度的に強化されます。メーカー等の回収体制が整うことで、生活者が迷いにくい環境づくりが進みます。
制度が整うことは大切ですが、最終的に事故を減らすのは私たち一人ひとりの行動です。
■⑤ よくある誤解
「まだ使えるから置いておく」「災害用だから触らない」――この放置がリスクを高めます。
防災士として実際に多かった失敗は、引き出しに古いバッテリーが何台も溜まっていたケースです。膨張や劣化に気づかず、いざという時に使えないだけでなく、保管中の発火リスクも上がります。
■⑥ 安全に使うためのポイント
・膨張・異臭・異常発熱があれば使用中止
・布団や衣類の上で充電しない
・高温環境に放置しない
・落下させた後は状態を確認する
災害時は連続使用になりやすいからこそ、平時の扱いが重要です。
■⑦ モバイルバッテリーは“防災装備”
停電時、情報と連絡は命綱です。スマートフォンが使えないと、避難情報も安否確認も止まります。
被災地派遣でLOとして現場に入った際も、「充電できる」というだけで安心感が違いました。だからこそ、危険な保管や誤廃棄で失うのは避けたい備えです。
■⑧ 今日できる最小行動
・家にあるモバイルバッテリーの数と状態を確認
・膨張や異常がないか点検
・自治体・メーカーの回収方法を確認
・端子を絶縁して回収へ
“迷ったまま放置”をやめることが、最初の一歩です。
■まとめ|正しく捨てることも防災
モバイルバッテリーの捨て方は、環境問題であると同時に火災予防の問題です。制度は整いつつありますが、事故を減らせるかどうかは私たちの分別と回収行動にかかっています。
結論:
モバイルバッテリーは「正しく使い、正しく回収へ回す」ことが最大の防災。
元消防職員としての実感ですが、電池火災は“想定外”ではなく“見落とし”から起きます。小さな分別の積み重ねが、大きな事故を防ぎます。
【出典】環境省 リチウムイオン電池の適正処理に関する情報
https://lithium.env.go.jp/


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