令和7年11月19日、海老名市消防本部は、火災の被害拡大を防いだ消防協力者2名に対し、消防長から感謝状を贈呈した。
この事案は、市民による「初期対応」がいかに重要かを改めて示す象徴的なケースである。
■① 火災の発生と発見の経緯
本事案は、同年9月23日に発生した火災である。
ごみ収集業務中であった座間市くらし安全部クリーンセンター職員2名が、市内公園で木製ベンチが燃えているのを発見した。
屋外火災は、発見が遅れると周囲の植栽や構造物へ延焼しやすく、特に乾燥時期には被害が急拡大する危険性が高い。
■② 119番通報と同時進行の行動
2名は火災を発見後、速やかに119番通報を実施した。
その上で、ただ待つのではなく、状況を見極めたうえで協力し、公園内の水道水を使用した初期消火に着手した。
この「通報+初期対応」の同時進行は、現場対応として非常に理想的な行動である。
■③ 的確な判断が被害を最小限に
燃えていたのは木製ベンチであり、周囲に延焼物が少ない状況であったこと、また水道が確保できたことから、無理のない範囲での初期消火が可能であった。
2名は火勢や安全を冷静に判断し、消火活動を実施したことで、火災を最小限に抑える結果となった。
■④ 市民による初期消火の現実的な価値
火災において、消防が到着するまでの数分間は極めて重要である。
その間に、消せる火を消せるかどうかで、被害規模は大きく変わる。
今回の事案は、専門職でなくとも、落ち着いた判断と協力があれば、地域の安全を守れることを示している。
■⑤ 初期消火で忘れてはいけない視点
一方で、初期消火は「安全が確保できる場合」に限られる。
火勢が強い、煙が多い、逃げ道が確保できない状況では、無理な対応は命を危険にさらす。
今回のように、状況を正しく見極め、可能な範囲で行動することが何より重要である。
■⑥ 防災は特別な人だけのものではない
今回、感謝状が贈呈された背景には、「地域の一員として行動した」という姿勢がある。
防災は消防や行政だけが担うものではなく、日常の仕事や生活の中で、気づき、動ける人が支えている。
この事例は、市民一人ひとりの行動が、確実に地域の命と財産を守る力になることを教えてくれる。

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