私たちの生活や産業を支えるガソリンスタンド、工場、貯蔵タンクなどの危険物施設。
一方で、ひとたび事故が起これば、火災・爆発・流出といった重大災害につながります。
近年、危険物施設の数は減少しているにもかかわらず、
火災事故や流出事故は依然として高い水準で推移しています。
■① 危険物事故防止が求められる背景
消防庁では、危険物事故を防ぐため、
学識経験者、関係業界団体、消防機関などで構成される
「危険物等事故防止対策情報連絡会」を平成14年から継続的に開催しています。
また、全国6ブロックで
都道府県・消防本部が参加する
「危険物等事故防止ブロック連絡会議」も実施されており、
行政と現場が一体となった事故防止体制が構築されています。
■② 事故防止対策の共通目標
連絡会では、
「危険物等に係る重大事故の発生を防止すること」
を最重要目標としています。
この目標のもと、
毎年度「危険物等事故防止対策実施要領」が策定され、
各関係機関が役割に応じた事故防止対策を進めています。
■③ 事故防止のために重視されている視点
危険物事故を防ぐため、特に重視されているのが次の視点です。
・業種を超えた事故情報の共有
・保安教育の充実と人材育成、技術の伝承
・想定されるすべてのリスクへの対応
・企業全体での安全確保体制の構築
・地震、津波、風水害を踏まえた災害対策の推進
単なる設備対策だけでなく、
「人」「組織」「災害」を含めた総合的な視点が求められています。
■④ 消防庁による具体的な取組
消防庁では、実施要領に基づき、
次のような取組を進めています。
・重大事故や典型事故事例を整理した事例集の作成・周知
・保安講習のオンライン化推進
・高経年化タンクの腐食・劣化対策の高度化、スマート化
・AIやIoTを活用した危険物保安の実証実験
・ブロック会議を通じた事故情報・好事例の共有
・消防庁、厚生労働省、経済産業省による三省連携
技術革新と現場の知見を組み合わせた対策が進められています。
■⑤ ブロック会議による現場力の底上げ
ブロック連絡会議では、
・事故の発生状況
・施設の業態や運用実態
・各消防本部の事故防止の工夫
などが共有され、全国的な事故防止力の底上げが図られています。
現場で得られた教訓を、
他地域に横展開することが大きな目的です。
■⑥ 災害時を想定した危険物対策の重要性
近年は、地震・津波・豪雨といった自然災害が頻発しています。
危険物施設においても、
平常時の事故防止だけでなく、
災害時を想定した安全確保対策が不可欠です。
想定外をつくらないことが、
重大事故を防ぐ最大のポイントとなります。
■⑦ まとめ:事故防止は継続と共有が鍵
危険物施設における事故防止は、
一度の対策で終わるものではありません。
・情報を共有し続けること
・人を育て続けること
・設備と技術を更新し続けること
これらを継続することで、
初めて重大事故を防ぐ力が高まります。
現場・行政・関係機関が一体となった取組こそが、
防災の根幹を支えています。

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