【元消防職員が解説】命を守る住宅耐震と家具転倒防止|防災×耐震対策

地震は、いつ・どこで起こるか分かりません。
過去の大地震では、「揺れそのもの」よりも、建物の倒壊や家具の転倒によって多くの命が失われてきました。

阪神・淡路大震災では6,400人を超える死者が発生し、多くの方が住宅の倒壊や転倒した家具により逃げ場を失い、その後の火災に巻き込まれています。
また、令和6年能登半島地震では、直接死の約4割が「圧死」、約2割が「窒息・呼吸不全」とされ、倒壊建物の下敷きとなったケースが多数確認されています。

これらの被害を減らすために、住宅の耐震化と家具の転倒防止は極めて有効な対策です。


■① まずは自宅の「建築年度」を確認する

住宅の耐震性は、建築された時期によって大きく異なります。

・昭和56年6月1日以降
→ 現行の耐震基準

・昭和56年5月以前
→ 強い揺れで倒壊リスクが高い住宅が含まれる

まずは、自宅がいつ建てられたのかを確認することが、防災の第一歩です。


■② 耐震診断は自治体に相談する

昭和56年5月以前の住宅の場合は、耐震診断を受けることを強くおすすめします。

多くの自治体では、
・耐震診断の補助制度
・無料診断士の派遣
などを実施しています。

また、地域の建築士会で相談できる場合もあります。
「知らなかった」で先延ばしにせず、まず相談することが重要です。


■③ 耐震補強は「家に合った方法」を選ぶ

耐震診断の結果、耐震性が不足していると判断された場合は補強が必要です。

代表的な方法には、
・壁の筋かい追加
・梁と柱の金具補強
・基礎の鋼材補強

などがあります。
住宅ごとに適した方法は異なるため、建築士や工務店と十分に相談してください。

工事費用についても、自治体の補助制度が使える場合があります。
施工前に必ず制度を確認することが大切です。


■④ 家具配置の工夫で被害は減らせる

家具の転倒対策は、「固定」だけではありません。

例えば寝室では、
・就寝位置を家具の高さ以上離す
・家具の正面を避ける

出入口付近では、
・家具を置かない
・倒れても通路が確保できる配置にする

こうした工夫だけでも、命を守れる確率は大きく変わります。


■⑤ 家具・家電は確実に固定する

配置の工夫だけでは不十分な場合、具体的な固定対策が必要です。

・タンスや本棚をL字金具や支え棒で固定
・食器棚に扉開放防止器具を設置
・棚に落下防止の桟を設ける

特に、
・冷蔵庫
・テレビ
・電子レンジ
・ピアノ

などは重量があり危険性が高いため、メーカーや販売店に適切な固定方法を確認することをおすすめします。


■⑥ 現場で見てきた「助かった家」の共通点

消防の現場で繰り返し感じたのは、
耐震化と家具固定がされている家ほど、生存率が高いという事実です。

揺れの中で「逃げる時間」を作れるかどうかは、
建物と家具が決めています。


■⑦ 今日できる最小の防災行動

・建築年度を確認する
・自治体の耐震制度を調べる
・家具1つを固定する

この小さな行動が、将来の生死を分けます。

地震対策は「大がかり」ではなく、
できるところから始める防災です。

家族と自分の命を守るために、
今日から一歩、動いてください。

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