【元消防職員が解説】地震後に最も命を奪う“火災”から生き残るための行動ガイド

地震のあと、最も多くの命を奪う二次災害が 「火災」 です。
特に冬は空気が乾燥し、暖房器具・ガス・電気トラブルが重なるため、火災発生件数が急増します。

元消防職員として、地震直後から数時間以内に取るべき「命を守る行動」をまとめます。


■① 地震後の火災は“同時多発”する

地震後は次の理由で火災が一気に増えます。

● 電気復旧時の通電火災
● ガス配管破損
● ストーブ転倒による着火
● 落下物が電源タップに接触
● 漏電によるショート

大型地震では 同じ地域で10〜50件以上の火災が同時に発生 することも珍しくなく、消防力だけでは全てに対応できません。


■② 最初の1〜5分が“火災から家族を救う時間”

揺れが収まった直後、必ず次を実行:

● 火の元確認(電気・ガス・暖房器具)
● ストーブ周囲の可燃物の位置を確認
● 家の外へ避難できるよう出口を確保

余震で火元が再発するケースも多いため、「一度確認して終わり」は危険です。


■③ 最も多い“通電火災”を防ぐ

通電火災とは、停電が復旧した瞬間に発生する火災のこと。
特に危険なのは:

● ストーブ(電気・石油)
● 電気毛布
● 家電の転倒
● 破損した電線

対策:

ブレーカーを必ず落とす
● 外に避難する前に電源オフを徹底
● 水濡れした家電には絶対に触れない

ブレーカーを落とすだけで、火災発生を大幅に減らせます。


■④ 家から出るべきかの判断基準

次に該当すれば、即避難:

● 焦げ臭い
● バチッという音
● 壁が熱い
● 黒煙が外に見える
● 隣家が燃えている

火災は風向きで急に広がり、1分で逃げ道を塞ぐことがあります。


■⑤ 火災を見つけたときの初期対応

●「火事だ!」と大声で知らせる
● 119 に通報(住所・状況・逃げられない人の有無)
● 初期消火は炎が天井に届く前まで
● 煙が出たら床を這って移動

炎が1メートル以上になれば、一般人の消火は不可能。
そのまま逃げる判断が命を救います。


■⑥ 夜間の火災は“煙で死ぬ”

夜は以下の点で危険が増します。

● 停電で周囲が暗い
● 逃げ道がわかりにくい
● 煙が視界をゼロにする

煙の特徴:

● 一吸いで意識が遠のく
● 数分で致死量に達する
● 低い姿勢(30〜50cm)が最も安全

火災での死因の約6〜7割は です。


■⑦ マンション火災の特別ルール

● エレベーターは絶対に使わない
● 廊下が煙で満たされていたら 戻る
● ベランダへ逃げて隣室へ移動
● 玄関ドアが熱ければ開けない

集合住宅は縦方向に煙が広がりやすく、一度出ると戻れない構造です。


■⑧ 避難所へ向かう前にやること

● ガス元栓を閉める
● ブレーカーを落とす
● 家族の位置を確認
● 隣近所へ声かけ

火災を広げないためのこの行動が、地域全体の命を守ります。


■まとめ|地震後の火災は“防げる二次災害”

結論:
地震そのものより、火災のほうが命を奪う可能性が高い。初動が全て。

元消防職員として何度も経験したのは、

● 火災は予想以上に早い
● 通電の瞬間に一気に燃え上がる
● 煙で方向感覚を失い倒れる
● 早く逃げた人だけが助かる

という厳しい現実です。

火災は避けられない災害ではありません。
ブレーカーを落とす・火の元を確認する・早く逃げる
この3つだけで、生存率は劇的に上がります。

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