【元消防職員が解説】指輪型「G-SHOCK nano」は防災に使える?超小型・20気圧防水が“日常の備え”になる理由

カシオの指輪型「G-SHOCK nano」が話題です。指に着ける時計という発想は、ファッションだけでなく「両手を空けたい」「濡れても気にせず使いたい」「ぶつけても壊れにくい」といった“現場の条件”とも相性が良いのがポイントです。被災時は荷物運搬や片付け、子どもの手を引くなどで手が塞がりやすく、スマホを守りながら行動する難しさが一気に上がります。だからこそ、“身に着け方”が変わるだけで備えの質が変わる可能性があります。


■① 指輪型が効く場面は「手が塞がる災害行動」

災害時は、荷物の運搬、暗所でライトを持つ、家族対応、避難所での整理など、常に手が塞がりがちです。腕時計は便利でも、厚着・手袋・雨具の中では見づらかったり、袖に引っかかったりします。指輪型なら、視線を落とすだけで時間確認ができ、動作が小さくて済みます。小さな差ですが、疲れている時ほど効いてきます。


■② 防災で効くのは「特別装備」ではなく“日常の延長”

防災で大事なのは、非常時だけの装備よりも、日常で使いながら耐性を上げることです。指輪型でも20気圧防水を備える設計思想は、雨天避難、断水後の給水作業、泥汚れの片付けなど“濡れる前提の行動”に近い発想です。濡れても気にせず使える道具は、結果として「使い続けられる備え」になります。


■③ 壊れにくさは「道具の継続」と「心の余白」を守る

災害時は暗所や混雑で、物を落としやすくなります。落下や衝撃で道具が使えなくなると、ストレスが一気に増えます。耐衝撃の思想は、非常時の現実に合っています。現場では「落とした瞬間に壊れて、そこで気持ちが折れる」パターンを何度も見ます。壊れにくさは、メンタルの維持にもつながります。


■④ “スマホの電池温存”に効く:時間確認・簡易機能の分担

災害対応では、時間の感覚が乱れやすくなります。夜間の安全確認、作業の区切り、連絡の約束時間など、時間把握が役立つ場面は多いです。もし小型でもライトやストップウォッチ等が使えるなら、「スマホの電池を温存しながら」最低限の行動を回せます。スマホは情報と連絡の命綱なので、電池は最後まで守りたいところです。


■⑤ 手袋・防寒・雨具のときに“動作が少ない”のが強い

冬季の避難所、片付け作業、瓦礫や泥の処理では手袋が基本になります。腕時計は袖や手袋に隠れやすく、確認のために装備をずらす動作が増えます。指輪型なら「袖をまくらずに時間が見える」場面が出てきます。作業が続くほど、この小さな手間が積み重なり、疲労の原因になります。動作が少ない装備は、体力温存にもつながります。


■⑥ 防災の基本は冗長性:スマホの“補助輪”として価値がある

指輪型時計は、スマホの代わりにはなりません。位置情報、連絡、情報収集はスマホが中心です。ただし、防災の基本は冗長性です。スマホが濡れた、落とした、電池が厳しい、手が塞がって操作しづらい。そんな時に「時間確認だけでも確実にできる」補助輪があると、判断が軽くなります。防災は“できることを増やす”より、“迷いを減らす”のが効きます。


■⑦ 防災目的で選ぶなら、ここだけは現実的に確認したい

防災目的で選ぶなら、性能だけでなく“普段使いできるか”が最重要です。

  • サイズ調整の範囲(きつい・ゆるいは事故やストレスにつながる)
  • 装着感(長時間で痛くならないか)
  • 作業中に当たりやすい形状か(集中力を削がないか)
  • 生活の中で自然に使えるか(慣れている道具ほど非常時に強い)

災害時は新しい道具ほど扱いづらくなります。普段から身に着けて慣れておくことが、一番の備えです。


■⑧ 被災地経験からの実感:装備は「いじらずに使える」ほど強い

指輪型は珍しい形ですが、災害行動を想像すると「両手が塞がる」「濡れる」「ぶつける」という条件に合います。特に、家族対応や片付け作業が多い人ほど、手が塞がる場面が増えます。被災地派遣やLOとして自治体側の現場調整に入った時も、情報共有・移動・調整で手が空かない時間が長く、装備は“少ない動作で機能すること”が効きました。被災地派遣・LO・元消防職員・防災士としての実感として、こういう装備は「持っていること」より「普段から使っていること」が強さになります。


まとめ

指輪型の「G-SHOCK nano」は、超小型でも耐衝撃と高い防水性を備え、日常で使える設計を貫いています。防災においては、スマホを守りつつ、時間確認や簡易機能を“低ストレスで使える”ことが価値になります。非常時の道具は、特別な日にだけ役立つものより、普段から使い慣れているものの方が確実です。

結論:指輪型の強みは「両手が塞がる状況でも、迷わず時間と最低限の機能を使えること」。日常で使い続けるほど、防災の実力になります。
元消防職員として現場で強く感じたのは、非常時ほど人は余計な動作が増えると一気に疲れて判断が鈍るということです。装備を“いじらずに使える”形に寄せるだけで、体力と判断の余白が残ります。指輪型はその余白を作る選択肢になり得ます。


出典

カシオ公式(開発者インタビュー)「サイズ10分の1への挑戦!指輪型の“G-SHOCK nano” 開発秘話」
https://www.casio.co.jp/topics/article/2025/K-132/

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