救命講習は「知っているか・知らないか」で、救える命が大きく変わります。
私は消防職員として現場に出動し、心停止の現場を何度も経験してきました。
その中で痛感したのは──
“市民の初期行動こそ、命を救う最大の力”
この記事では、救命講習にはどんな種類があり、どんな役割を持っているのか、
現場経験にもとづいてわかりやすくまとめます。
■① 普通救命講習Ⅰ(成人への一次救命処置)
最も受講者が多い基本の講習です。
内容は、
- 成人への心肺蘇生法(CPR)
- AEDの使い方
- 気道異物除去
- 119番通報のポイント
など、実際の現場で必ず必要になる技術を習います。
私が現場で感じてきたことですが、
胸骨圧迫が1分遅れるだけで助かる確率が大きく下がるため、
この講習で身につく“最初の一手”は非常に重要です。
■② 普通救命講習Ⅱ(小児・乳児の処置を含む)
小児や乳児に特化した救命処置を学びます。
特に乳児は、
- 心臓の大きさ
- 呼吸の仕方
- 気道の狭さ
が成人と全く違うため、対応方法も変わります。
子どもをもつ家庭では、この講習は非常に役立ちます。
実際、私が指導した中でも子育て世代の受講者が最も熱心でした。
■③ 普通救命講習Ⅲ(上級救命講習の短縮版)
主に事業所向けの講習です。
内容はⅠより少し踏み込んだもので、
職場で倒れた人の対応など、実践的な場面設定が多く扱われます。
AEDが普及した今、
職場全体で受講する企業も増えています。
■④ 上級救命講習(応急手当の“総合パッケージ”)
消防職員目線でも「ここまで学べば十分に戦える」と思える内容です。
学べることは、
- 成人・小児・乳児の心肺蘇生
- AED
- 傷の手当
- 止血法
- 骨折対応
- 搬送法
など幅広く、災害時にも活かせる技術が多く含まれます。
被災地派遣の際、私は市民の方が
“上級救命で学んだ搬送法を使って高齢者を運び出した”
という場面に出会い、講習の効果を改めて実感しました。
■⑤ 応急手当普及員講習(教える側になるための資格)
講習を“受ける側”ではなく“教える側”になるための講習です。
普及員になると、
- 事業所での救命講習の実施
- 地域の応急手当指導
- イベントでの啓発活動
などが可能になります。
市民の力で救命率を上げるための重要な役割を担います。
■⑥ 応急手当指導員(より専門的なインストラクター)
消防本部などで救命講習を指導する立場です。
私は現役時代、この資格を使って多くの講習を担当してきました。
現場経験を基に、
「どうすれば伝わるか」「動ける人を増やすか」
を常に考えて指導していました。
地域防災を強くするために欠かせない存在です。
■⑦ 事業所向けのオーダーメイド講習
学校・保育園・企業などでは、
対象に応じて内容を調整した講習が行われます。
例:
- 保育園 → 乳児の喉詰まり・アナフィラキシー
- 建設現場 → 出血・骨折・熱中症
- 高齢者施設 → 窒息・転倒・搬送法
現場リスクに直結するため、非常に実用的です。
■⑧ 救命講習は“防災”の第一歩
地震・豪雨・火災など、災害時は必ず救護が必要になります。
私の被災地経験でも、
「救命講習を受けていたおかげで対応できた」
という声を何度も聞きました。
逆に、
「助けたかったのに、何もできなかった」
という後悔の声は胸に突き刺さるほど多かったです。
■まとめ|救命講習は“命を守るための技術”そのもの
結論:
救命講習は、あなたの手で人の命を守るための確かな力になる。
防災は備蓄や避難だけではありません。
「人を救う力」を持つことも、立派な防災です。
どの講習でも構いません。
一度受けるだけで、必ずあなたの行動は変わります。
元消防職員として言い切れます。
救命講習は、人生で一度は必ず受けてほしい防災行動です。

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