救急車を呼べば、すぐ来て何とかしてくれる。
そう思っている人は多いですが、一番危ないのは、「来るまで待てばいい」と考えることです。
消防庁の令和6年版消防白書では、救急自動車の現場到着所要時間の平均は約10.0分とされています。
しかも心停止や窒息、大出血では、この時間がそのまま生死を分けます。
だから結論はシンプルです。
救急車を呼んだら終わりではなく、来るまでの10分をどう使うかが命を守ります。
■① 一番危ないのは「119番したから安心」で何もしないこと
消防庁の防災eカレッジでは、心臓や呼吸が止まった人は、時間の経過とともに救命の可能性が低下し、救急車が到着するまでの間にその場の人が救命処置を行うことが重要だと示しています。
つまり、119番通報はスタートであってゴールではありません。
元消防職員としても、助かった人と助からなかった人の差は、救急隊が来る前の数分で決まることが本当にあります。
■② 基本の結論|最初にやるべきことは「呼ぶ・見る・始める」
私が最初に切る判断基準はこれです。
① 119番通報 ② 意識・呼吸の確認 ③ 必要なら胸骨圧迫を始める
東京消防庁も、救命の可能性は時間とともに低下し、救急車が到着するまでに居合わせた人が応急手当を行うことで救命の可能性が高くなると示しています。
つまり、命を守る最初の正解は、待つことではなく始めることです。
■③ 呼吸がなければ、まず胸骨圧迫が最優先
消防庁の救命処置解説では、心停止が疑われる時は胸骨圧迫が重要で、胸の真ん中を約5cm、1分間に100〜120回のテンポで強く速く押すことが示されています。
人工呼吸に自信がなくても、胸骨圧迫だけでもやる意味があります。
私なら、次の条件なら迷わず胸骨圧迫を始めます。
・呼びかけに反応しない
・普段どおりの呼吸がない
・明らかにぐったりしている
ここで「失敗したらどうしよう」と止まる方が危険です。
■④ 119番では「指示を聞く」がかなり大事
消防庁の口頭指導資料では、119番通報時には、指令員が通報者に対して心肺蘇生、気道異物除去、止血法などの応急手当を電話で指導する仕組みが示されています。
つまり、119番は単なる出動要請ではなく、その場の応急手当の開始装置でもあります。
私なら、119番の時は次を意識します。
・住所や目標物を短く正確に伝える
・年齢、性別、症状を簡潔に伝える
・電話を切らずに指示を聞く
・スピーカー通話にする
これだけで、初動の質はかなり変わります。
■⑤ 一発アウトになりやすいのは「呼吸しているか分からない」で止まること
現場で多いのは、「息をしているか分からないから様子を見る」という迷いです。
でも、消防庁や救命講習では、普段どおりの呼吸がない、判断に迷うなら心停止を疑って胸骨圧迫を開始する考え方が基本です。
元消防職員としても、迷って何もしない数十秒の方が危険です。
完璧に見分けようとするより、危険側に寄せて動く方が助かる可能性は高いです。
■⑥ AEDがあるなら、持ってきてもらう判断が命を分ける
心停止では、胸骨圧迫に加えてAEDが非常に重要です。
東京消防庁も、心肺蘇生と電気ショックで救命の可能性の低下がゆるやかになることを示しています。
近くに人がいるなら、
・一人は胸骨圧迫
・一人は119番
・一人はAEDを取りに行く
この役割分担が理想です。
一人しかいない場合も、119番の指示に従って動く方が安全です。
■⑦ 結論|救急車を呼んだ後は「待つ」ではなく「つなぐ」
救急車はすぐ来ない。
だから私の結論はこれです。
119番したら終わりではない。 来るまでの10分を、命をつなぐ時間に変える。
呼ぶ。
呼吸を見る。
必要なら胸骨圧迫。
指示を聞く。
AEDを手配する。
この流れが、到着までに命を守る現実的な判断基準です。
■まとめ
救急車の現場到着所要時間の平均は約10.0分で、心停止や窒息ではこの時間が生死を分けます。
そのため、119番通報後は待つのではなく、意識と呼吸を確認し、必要なら胸骨圧迫を始めることが大切です。
119番では口頭指導も受けられるため、電話を切らずに指示を聞くことも重要です。
大切なのは、「救急車を呼んだから安心」ではなく、「到着まで命をつなぐ」ことです。
私なら、救急車を呼んだ後は“待つ時間”とは考えません。現場では、その数分で助かる命が本当にあります。だから救急車が来るまでにやるべきことは、完璧な判断ではなく、命を止めない行動です。

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