【元消防職員が解説】春の火災予防運動と防火まつり|地域防災力を高める“参加型防災”の力

空気が乾燥し、火災が増えやすい季節が続きます。
3月1日から7日まで、全国一斉に「急ぐ日も 足止め火を止め 準備よし」を合い言葉に春の火災予防運動が実施されます。

地域で開催される「火災予防作品展」や「防火まつり」は、単なるイベントではありません。
実は、“地域の防災力”を底上げする大切な機会です。

被災地派遣や消防現場で活動してきた経験からも、火災は“意識の差”で減らせる災害だと強く感じています。


■① なぜ春は火災が増えるのか

春先は、

・空気が乾燥している
・風が強い日が多い
・暖房器具の使用が続く
・屋外活動が増える

こうした条件が重なり、火災が発生しやすくなります。

実際、山口市では2025年の火災発生件数が74件と前年より増加しています。
建物火災が最も多く、車両火災やその他火災も増加傾向です。


■② 防火作品展の意味|子どもの意識が家庭を変える

絵画やポスター、習字、防火標語。
これらは単なる展示物ではありません。

・子どもが火の怖さを考える
・家庭で防火の話題が出る
・高齢者も標語づくりに参加する

家庭内で「火の扱い」を見直すきっかけになります。

現場で多かった火災原因の一つは、
「うっかり」「大丈夫だと思った」です。

意識を日常に戻すことが、最大の予防です。


■③ 防火まつりの価値|“見る防災”から“参加する防災”へ

消防音楽隊の演奏、防火パレード、幼年消防クラブの発表。

これらは楽しみながら学べる防災です。

被災地派遣・LO・元消防職員・防災士として感じたのは、
日頃から消防を身近に感じている地域ほど、初動が落ち着いているということです。

「顔の見える消防」は、地域の安心材料になります。


■④ 火災は一瞬で広がる|初動が命を守る

火災の初期段階では、

・コンロの火の消し忘れ
・電気配線のショート
・たばこの不始末

小さな火種が数分で延焼します。

現場では、「あと30秒早ければ」という場面を何度も見ました。

火災は地震と違い、予防できる災害です。


■⑤ やらなくていい防火

・コンセント周りを放置する
・乾燥注意報を軽視する
・消火器の場所を確認しない

これらは避けるべき習慣です。


■⑥ 今日できる最小防火行動

  1. コンロ周りの可燃物を確認
  2. コンセントのほこりを除去
  3. 住宅用火災警報器の動作確認

3分あればできます。


■⑦ 子どもと高齢者がカギ

作品展では幼児から高齢者まで参加しています。

火災は、

・高齢者世帯
・単身世帯
・夜間発生

で被害が大きくなる傾向があります。

世代を超えた防火意識の共有が重要です。


■⑧ 結論

火災は「起きるもの」ではなく「防ぐもの」です。

地域イベントは、防火を“特別なこと”から“日常の延長”に変える力があります。

火を止めるのは一瞬の意識。守れるのは家族の命です。

春の火災予防運動は、地域全体で命を守る取り組みです。
まずは自宅の火の取り扱いを見直すことから始めましょう。


出典

総務省消防庁「春の火災予防運動」資料

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