【元消防職員が解説】東京消防庁出初め式とエアハイパーレスキュー10年が示す首都防災の現在地

東京消防庁の出初め式が、東京ビッグサイトで開催されました。
今年の出初め式は、エアハイパーレスキュー創設10周年という節目の年でもあり、首都直下地震をはじめとする大規模災害への備えを、あらためて社会に示す場となりました。

約2910人の消防職員・消防団員、消防車両119台、ヘリコプター3機が参加し、実災害を想定した訓練が行われました。


■① 出初め式は「未来の災害」を想定した総合訓練

出初め式は新春行事として知られていますが、実際は極めて実戦的な防災訓練の場です。
今回も、地震による建物倒壊、火災、多数要救助者の発生など、首都直下地震で想定される状況を前提に訓練が組まれました。

東日本大震災から15年、熊本地震から10年。
過去の教訓を「形」にして次に備える姿勢が、はっきりと示された出初め式でした。


■② エアハイパーレスキュー10周年の意味

出初め式では、航空消防救助機動部隊(エアハイパーレスキュー)が創設10周年を記念して飛行演技を披露しました。

この部隊の最大の特徴は、
・孤立地域への迅速な進出
・高層ビル災害への対応
・林野火災や広域災害への即応

といった「地上部隊だけでは届かない場所」への対応力です。

実際に、
・岩手県大船渡市の林野火災
・2024年の能登半島地震

など、首都圏外の大規模災害にも派遣されており、東京の消防力が全国の命を支えている現実があります。


■③ 新たな資器材が示す「隊員の安全最優先」

今回の救助訓練では、
・消火用ブランケット
・四足歩行ロボット

といった新たな資器材も投入されました。

これらに共通する考え方は、
「人が危険にさらされる前に、状況を把握する」という一点です。

災害対応は、勇気や根性ではなく、
「安全に、確実に、継続できる」ことが最も重要です。


■④ 市川消防総監の言葉に込められた本質

市川博三消防総監は式辞で、次のように述べています。

「首都直下地震に備え、被害を最小限に抑えるためには地域防災力の向上が不可欠」

これは、消防だけでは災害は防げない、という現場の本音でもあります。

どれだけ消防力が強化されても、
・家具の転倒防止
・初期消火
・地域での助け合い

がなければ、被害は拡大します。


■⑤ 私たちの暮らしにどうつながるのか

出初め式で披露された訓練や資器材は、
そのまま家庭防災の考え方にも直結します。

・「無理に動かない」
・「安全を確認してから行動する」
・「初期段階で被害を抑える」

これらは、消防の現場でも、家庭でも同じ原則です。


■⑥ 技術が進化しても、防災の主役は人

ロボットやヘリコプターが導入されても、
最終的な判断を下すのは人間です。

だからこそ、
・訓練
・想定
・日頃の備え

が欠かせません。

出初め式は、その積み重ねを社会に示す場でもあります。


■⑦ 災害のない一年を願

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