近年、気候変動の影響により、乾燥や強風が重なることで林野火災の危険性が高まっています。
2025年版消防白書では、大規模林野火災の教訓を踏まえ、「林野火災注意報」の的確な発令が重要であると明記されました。
■① 大船渡市の大規模林野火災が示した現実
2024年2月、岩手県大船渡市で発生した林野火災は、記録的な少雨と乾燥の影響により延焼範囲が急拡大しました。
白書では、自然条件の悪化が初期消火や延焼抑制を困難にした点が指摘されています。
この事例は、「火を使わない判断」を早期に促す仕組みの重要性を改めて浮き彫りにしました。
■② 新設された「林野火災注意報」とは
消防白書では、乾燥や気象条件により火災リスクが高まった際に発令される
「林野火災注意報」が新設されたことが示されています。
この注意報は、
・たき火
・野焼き
・火入れ作業
など、屋外での火の使用に対する注意喚起を強化することを目的としています。
■③ 火災警報との違いと役割分担
林野火災注意報は、あくまで「火災リスクが高まっている段階」での予防的措置です。
一方、火災警報は、さらに危険性が高い場合に、火の使用そのものを禁止する強い措置となります。
白書では、これらを段階的に活用し、
・防火指導の強化
・火の使用制限の徹底
を図る必要性が強調されています。
■④ 注意報の的確な発令が防災力を高める
注意報は出すこと自体が目的ではありません。
住民が「今日は火を使うべきでない」と判断できる材料を、事前に提供することが重要です。
的確な発令と周知により、
・不必要な火の使用を減らす
・初期火災の発生を抑える
・消防力への過度な負担を防ぐ
といった効果が期待されます。
■⑤ 女性消防職員比率向上の目標も明示
2025年版消防白書では、防災体制の多様性強化として、
全国の消防本部における女性職員比率向上の目標も掲げられました。
林野火災を含む地域防災では、
・住民目線での広報
・きめ細かな防火指導
・多様な価値観の反映
が重要であり、人材の多様化は防災力向上につながります。
■⑥ 林野火災は「起こさせない防災」が鍵
林野火災は、一度拡大すると消火に長期間を要し、
住民生活や環境への影響も甚大です。
そのため、
・注意報による早期警戒
・住民の自発的な行動抑制
・行政と消防の連携
が何より重要になります。
■⑦ まとめ:火を使わない判断が命を守る
消防白書が示した「林野火災注意報」は、
災害対応ではなく、災害を未然に防ぐための仕組みです。
乾燥した日には、
「使っても大丈夫」ではなく、
「今日は使わない」という判断が、地域全体を守る力になります。
防災は、現場だけでなく、日常の選択から始まっています。

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