【元消防職員が解説】消防学校で「向いてないかも」と思ったときの判断基準|逃げと撤退を分ける8つの視点

消防学校の途中で、「向いてないかも」と思う瞬間は来ます。
それは珍しいことではありません。
大事なのは、その気持ちを否定することではなく、判断の基準を持つことです。
勢いで辞めると後悔し、無理に耐えると壊れます。
ここでは、逃げと撤退を分けるための判断基準を整理します。


■① 結論|まず“今の状態”を分類すると判断が軽くなる

「向いてない」と感じる原因は、大きく3つに分かれます。

  • 疲労(身体が限界)
  • 不安(情報不足・先が見えない)
  • 人間関係(孤立・摩擦)

原因が違えば、対処も違います。
まず分類するだけで、気持ちは少し落ち着きます。


■② よくあるのは“疲労型”|向いてないのではなく回復不足

一番多いのは疲労です。

  • 睡眠不足
  • 筋肉痛の蓄積
  • 食欲低下
  • 集中力低下

この状態だと、物事は全部ネガティブに見えます。
向いてないのではなく、回復が足りてないだけのことが多いです。
回復を優先してから判断するのが基本です。


■③ “不安型”の特徴|未来が見えないと心は折れやすい

不安型はこうなります。

  • 先が見えない
  • 自分だけ遅れている気がする
  • 周りが強く見える

対策は、未来を小さく刻むことです。

  • 今日を乗り切る
  • 今週を乗り切る
  • 次のイベントまで頑張る

出世する視点でも、伸びる人は「遠い未来」を見過ぎません。
目の前の一歩に落とします。


■④ “人間関係型”|辞めたくなる理由の多くはここ

辞めたくなる理由は、体力より人間関係が強いです。

  • 部屋員と合わない
  • 同期の言い方がキツい
  • 相談できる相手がいない

ここで大事なのは、孤立しないことです。
一人で抱えると判断が極端になります。
相談先を増やすだけで、状況が変わることがあります。


■⑤ 逃げか撤退か|「回復すれば戻る」なら逃げではない

逃げと撤退を分ける基準はシンプルです。

  • 寝たら戻る
  • 食べたら戻る
  • 休んだら戻る

この3つで戻るなら、撤退ではなく“調整”です。
本当に危ないのは、休んでも戻らない状態です。


■⑥ “撤退を考えるべきサイン”|壊れる前に止まる判断

撤退を検討すべきサインもあります。

  • 不眠が続く
  • 食事が入らない
  • 動悸、過呼吸が出る
  • 怪我が悪化している
  • 自分を傷つけたくなる発想が出る

これは根性で押す領域ではありません。
早めに教官方・医療側へ相談するのが正解です。
救助隊として役立つ視点でも、“無理を押す人”が事故を起こします。


■⑦ 判断を誤らないコツ|「辞めたい」を“48時間保留”する

心が限界に近い時ほど、判断は荒れます。
おすすめは、決断を48時間保留することです。

  • まず寝る
  • 食べる
  • 相談する
  • その上で決める

勢いの退校を避けられます。
緊急消防援助隊で役に立つ視点でも、混乱時は“即断しない”が鉄則です。


■⑧(一次情報)被災地派遣で見た|強い人ほど「撤退の線引き」を持っていた

被災地派遣(LO)では、強い人ほど撤退の線引きを持っています。

  • 休む基準
  • 交代を頼む基準
  • 無理をしない基準

無理を続ける人は、最後に倒れて現場全体の負担になります。
消防学校も同じです。
耐えることが強さではなく、壊れない判断が強さです。


■まとめ|「分類→回復→相談→保留」で判断は間違えにくくなる

「向いてないかも」と思う瞬間は誰にでも来ます。
まず原因を分類し、回復を入れ、相談先を増やし、決断は48時間保留する。
それでも戻らないサインがあるなら、撤退も選択肢です。
逃げと撤退は違います。壊れる前に線を引くのが正しい判断です。

結論:
「向いてない」と感じたときは、勢いで決めず、回復と相談を挟んで“壊れない判断”をすることが最優先です。
元消防職員としての実感でも、最後に評価されるのは根性より安全判断です。自分を守れる人が、現場でも仲間を守れます。

出典:総務省消防庁「消防学校等の教育訓練」 https://www.fdma.go.jp/

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