消防学校初任科でSNSをどう扱うべきか。
結論から言うと、仕事上知り得た情報は絶対に公開しない。これが最重要です。
初任科の段階で「うっかり投稿」が起きると、本人だけでなく、組織・住民・同僚に影響が出ます。所属に戻ってからも同じで、情報管理は現場力そのものです。場合によっては、処分の対象になることも想定しておく必要があります。
私は元消防職員として、災害・救急・火災の現場で扱う情報がどれほど繊細かを経験しました。被災地派遣(LO)でも、避難所名簿や被害状況、支援物資の動きなど、情報が外に漏れるだけで混乱が起きる場面を見ています。SNSは悪意がなくても拡散します。だからこそ、最初から「出さない設計」が安全です。
■① なぜSNSは危険なのか:情報は“正しくても”外に出ると事故になる
SNSの危険は、嘘を書くことではありません。
正しい情報でも、公開の文脈に乗ると事故になることです。
- 場所や時間が特定される
- 写真の背景で個人や施設が特定される
- コメント欄で追加情報が漏れる
- スクショで意図と違う形で拡散される
初任科は仲間が増え、環境が変わり、テンションも上がります。だからこそ、事故が起きやすい時期です。
■② 絶対に投稿しないもの:仕事上知り得た情報(これが最重要)
初任科の段階でも、すでに“仕事の入口”にいます。
次の情報は、公開しないが原則です。
- 訓練・教育の内部資料(配布物、掲示、指導内容の詳細)
- 施設・装備・車両・配置などの内部情報
- 指導者や同期の個人情報(氏名、顔、所属、特徴が分かる内容)
- 評価、指導内容、叱責の内容、内部のトラブル
- 災害・救急・火災に関する具体の事案情報(場所・時間・状況)
「少しだけなら」は、外に出た瞬間にコントロールできません。
■③ 写真が一番危ない:背景に全部写る
SNS事故の多くは文章ではなく写真です。
- 背景の掲示物(予定表、注意事項、連絡先)
- 名札、腕章、装備の識別情報
- 建物の特徴、位置情報、風景
- 同期や指導者の顔
撮るなら公開しない。公開するなら撮らない。
このくらいの割り切りが、初任科では安全です。
■④ 「匿名だから大丈夫」は危険:特定は思った以上に早い
匿名でも、断片情報が揃うと特定されます。
- 投稿時間の癖
- 言い回し
- 写真の背景
- 友人のコメント
- 位置情報や移動パターン
被災地派遣(LO)でも、情報が少し出ただけで「どこの避難所か」「誰のことか」が特定される場面がありました。現場情報は、それだけ注目されやすいです。
■⑤ 処分の対象になり得る、という前提を持つ
消防は住民の信頼が基盤です。
情報漏えいは、その信頼を一気に損ねます。
だから、SNSに関しては
- 指導・注意で済まないケースがある
- 規程違反として処分の対象になり得る
という前提で考えた方が安全です。
怖がらせるためではなく、守るための現実です。
■⑥ 所属で本当に大切になる視点:情報管理は「現場の安全」そのもの
情報管理は、事務的なルールではありません。
現場では、情報が漏れると次が起きます。
- 家族や関係者が混乱する
- 現場に問い合わせが殺到して活動が止まる
- 二次被害(詐欺、誹謗中傷、無関係者の突撃)が起きる
- 組織全体の信用が下がる
初任科で「出さない習慣」を作った人ほど、所属で強くなります。
■⑦ 安全な発信をしたいなら:一般論と自分の学びだけに限定する
どうしても発信したいなら、範囲を絞ります。
- 一般的な防災知識(誰でも調べられる内容)
- 自分の学び(個人の感想に留める)
- 個人・組織・事案が特定されない抽象度
そして、写真は原則なし。位置情報はオフ。
「出していい」より「出さない方が安全」を基本にします。
■⑧ 今日できる最小行動:SNSの“自分ルール”を1行で決める
迷ったら、この1行で十分です。
「仕事上知り得た情報は一切出さない。写真も原則出さない。」
初任科は、信用を積む時期です。
余計なリスクを背負わないことが、結果として一番強い選択になります。
まとめ
結論:初任科のSNSは注意が必要。仕事で知り得た情報は公開しないのが最重要で、写真・位置情報・内部資料は特に危険。所属でも情報管理は最重要の視点で、規程違反は処分の対象になり得る前提で運用する。発信するなら一般論と学びに限定し、特定される要素を徹底的に排除する。
信用は一瞬で失われます。だから最初から「出さない設計」が安全です。
出典
総務省「国民のためのサイバーセキュリティサイト」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/security/

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