火災現場では、
「完全に消す」前に「広げない」判断が必要な場面があります。
被災地経験から、簡易防火壁は時間を稼ぐための有効な手段でした。
■① 簡易防火壁の役割を理解する
簡易防火壁は、
- 延焼速度を落とす
- 火の粉を遮る
- 地上消火の時間を確保する
ための一時的措置です。
永久設備の代替ではありません。
■② 作る前に確認すべき条件
- 風向き(必ず風上側に設置)
- 延焼ライン(次に燃える場所)
- 退路の確保
被災地では、風下に作って効果が出なかった例がありました。
■③ 身近な材料で作る基本構成
- 土嚢・土・砂
- 水で湿らせたシート
- 金属板・トタン
- 不燃資材(コンクリ片など)
「燃えない」「倒れにくい」が基準です。
■④ 設置の基本手順
- 可燃物を除去する
- 地面を露出させる
- 土嚢・資材を連続配置
- 隙間を作らない
被災地では、隙間から火が回り込む失敗が多く見られました。
■⑤ 火の粉対策としての工夫
- 壁の高さを腰〜胸程度確保
- 上部を斜めにする
- 風を受け流す形にする
火の粉は「上から落ちる」ことを意識します。
■⑥ 水がある場合の併用
- 防火壁前面を湿らせる
- 周囲の下草を重点的に散水
- 壁裏の再燃を監視
被災地では、湿潤状態を保てた壁が最も効果的でした。
■⑦ 人員が少ない時の考え方
- 短く区切る
- 幅より連続性を優先
- 重要動線だけを守る
完璧を目指さず、止めたい線だけを作る判断が重要です。
■⑧ 撤退判断も防火壁の一部
効果が薄いと感じたら、
- 早めに撤退
- 次の防御線へ移動
- 人命最優先に切り替え
被災地では、引き際を誤らなかった判断が命を守りました。
■まとめ|防火壁は「時間を作る判断」
結論:
簡易防火壁は完全防御ではなく、延焼を遅らせるための戦術。
元消防職員として、
防火壁を「作る目的」を理解して使えた現場ほど、被害拡大を確実に抑えられていました。

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