【元消防職員が解説】火災現場での無線通信運用|混乱を防ぎ命を守る“伝え方”の基本

火災現場では、
無線が命綱になります。
現場経験を踏まえ、「通じない」「聞こえない」「誤解する」を防ぐ運用の要点を整理します。


■① 無線が乱れると現場は一気に危険になる

火災現場では、

  • 騒音
  • 緊張
  • 同時多発の指示

が重なります。
無線が混乱すると、正しい判断が遅れ、二次事故に直結します。


■② まず守るべき無線の基本原則

現場で徹底すべき原則は3つだけ。

  • 短く
  • 具体的に
  • 順番に

長い説明は、ほぼ確実に伝わりません。


■③ 呼び出し→要件→復唱の型

安全な無線は「型」で回します。

  • 呼び出し(誰へ)
  • 要件(何を)
  • 復唱(聞き取れたか)

例:
「A隊、放水開始」
「了解、A隊放水開始」

これだけで誤作動は激減します。


■④ 無線が通じにくい状況を想定する

被災地・現場では、

  • 建物影
  • 地形
  • 人的混雑

で無線が途切れます。
通じない前提で、合図や位置共有を併用することが重要です。


■⑤ 同時発話を防ぐルール

複数人が一斉に話すと、

  • 何も聞こえない
  • 大事な指示が埋もれる

対策は単純で、

  • 指揮系統以外は必要時のみ発話
  • 優先語(緊急・中止)を決める

これだけで整理されます。


■⑥ 感情を乗せない無線運用

現場では感情が高ぶりますが、

  • 怒鳴る
  • 焦る
  • 否定的な口調

は情報の質を下げます。
淡々と事実だけを伝えるのが最も安全でした。


■⑦ 聞き返しは「安全行動」

聞き返すことを、

  • 迷惑
  • 未熟

と捉えない。
聞き返さない方が危険です。

「もう一度お願いします」は
現場では正解の行動です。


■⑧ 無線トラブル時の代替手段

無線が不安定な場合は、

  • 事前取り決めの手信号
  • 合流ポイントの固定
  • 一時撤退ルール

を即座に使います。
被災地ではこの切り替えが生死を分けました。


■まとめ|無線は「技術」より「運用」

結論:
無線通信は機器性能より、人の使い方が9割。

短く、落ち着いて、復唱する。
これを守るだけで、現場の安全度は大きく上がります。

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