【元消防職員が解説】災害対応ドローン導入で見落としがちな注意点|防災×ドローン

災害対応ドローンの整備は、
「機体を買えば終わり」ではありません。

調達手続・情報セキュリティ・事業計画の提出まで含めて、
はじめて公的な防災装備として成立します。

今回は、制度上とくに重要な「その他」のポイントを整理します。


■① ドローン調達時に求められる基本姿勢

災害対応ドローンの調達にあたっては、

「政府機関等における無人航空機の調達等に関する方針」
(令和2年9月14日 関係省庁申合せ)

を踏まえた手続を行う必要があります。

単なる価格や性能比較ではなく、

・機微情報の漏洩防止
・操縦不能や乗っ取りの防止
・業務停止リスクの回避

といった安全保障・業務継続の視点が強く求められます。


■② 災害対応ドローンは「情報資産」でもある

ドローンは、

・被害状況
・住民情報
・重要インフラ

といった、極めて重要な情報を扱います。

そのため、
通信系統・制御系統・データ管理において

「安全に飛ばせるか」だけでなく
「安全に守れるか」が問われます。

これは、防災装備であると同時に
情報資産であることを意味します。


■③ 事業計画の提出が財政措置の前提

地方公共団体の防災部局が整備する災害対応ドローンは、

・機体整備
・人材育成

に関する事業計画を作成し、
消防庁国民保護・防災部防災課へ提出する必要があります。

この計画(別添2)について、

・制度要件を満たしているか
・運用体制が適切か

の確認が取れたもののみが、
緊急防災・減災事業債の対象となります。


■④ 計画確認には「時間」がかかる

事業計画の確認には、
おおむね1か月程度を要します。

そのため、

・総務省への起債届出
・協議スケジュール

を踏まえ、
十分な余裕をもって提出することが重要です。

ギリギリの提出は、
導入そのものが遅れる原因になります。


■⑤ 制度変更で強化されたポイント

令和6年4月1日付通知からの主な変更点は次のとおりです。

・ドローン格納庫の整備について明確化
・「災害対応ドローン整備・運用事業計画」様式の改正
・格納庫整備予定に関する項目の追加

これは、
即応性・継続運用を前提とした整備
制度が進化していることを示しています。


■⑥ 防災ドローンは「計画力」で差が出る

今後の防災ドローン導入では、

・何を買うか
・誰が飛ばすか

よりも、

・どう管理するか
・どう守るか
・どう継続するか

という「設計力」が問われます。

防災×ドローンは、
装備の話ではなく体制の話です。

制度を正しく理解し、
最初から“使える形”で整備することが、
これからの消防防災力を左右します。

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