【元消防職員が解説】神奈川・伊勢原市で山火事|“山道なし・日没”で初動が遅れる山火事の本当の怖さ【防災×山火事】

神奈川県伊勢原市の日向山で発生した山火事。
600平方メートルが焼失し、消防は山道がない・日没という条件により、消火活動を翌日へ持ち越す判断をしました。

元消防職員として山林火災の支援経験がありますが、山火事は“都市火災とは全く別物の災害”です。
今回の事例をもとに、注意すべきポイントと教訓をわかりやすくまとめます。


■① 山道がない=消火ができない

山林火災で最も厄介なのが 「アクセス不能」

今回の現場も、

  • 山道が未整備
  • 車両が近づけない
  • 人の移動にも時間がかかる

という典型的な難条件。

元消防としても、山火事は
「現場に近づくまでが最大のハードル」
といっても過言ではありません。


■② 日没=活動停止

山火事は明るさが重要。
暗闇では以下のリスクが急増します。

  • 足場の崩落
  • 落石
  • 風向きの急変
  • 逃げ遅れ

そのため今回は、
10日午前6時に消防車3台で活動開始
という判断が取られました。

安全確保のためには正しい判断です。


■③ 山火事は“風”で一気に広がる

日向山の600㎡焼失は比較的小規模ですが、乾燥・風・斜面の条件次第で数十倍になることも珍しくありません。

関東では同時期に群馬県・妙義山でも山火事が発生。
山火事が“連続する季節”であることがうかがえます。


■④ 冬の山火事が多い理由

冬は意外にも山火事が増えます。

  • 空気が乾燥
  • 枯れ草が可燃物に
  • 風が強い季節
  • 早い日没で消火が難航

この4つが重なるため、小さな火種でも大きくなりやすいのです。


■⑤ 住民が気をつけるべきこと

日向山周辺には住宅がなく、けが人もなし。
しかし、山火事は以下の二次リスクを生むことがあります。

  • 飛び火で離れた住宅地へ延焼
  • 大規模な煙による健康被害
  • 道路規制で物流・通勤に影響
  • 登山道が長期間封鎖

特に煙は遠方まで届くため、山火事は「距離があるから大丈夫」ではありません。


■⑥ 山火事への日常の備え

山火事は生活圏でも起こり得ます。
自宅周辺でできる対策は次の通り。

  • 家の周りの枯れ草・落ち葉をためない
  • バーベキュー・焚き火は風の弱い日を選ぶ
  • 灰皿の火は必ず消す
  • 登山中の喫煙禁止を徹底
  • 乾燥注意報の日は特に警戒

火種をつくらないことが最大の予防です。


■まとめ

伊勢原市の日向山火災は、
「山道なし」+「日没」=初動が遅れる典型例
と言えるケースでした。

冬は山火事が連続発生しやすい時期。
乾燥と強風が重なれば、数百平方メートルが一気に広がります。

結論:
山火事は“最初の1時間”で決まる。火種をつくらないことが最大の防災。

元消防職員として、今後も山火事の危険性と予防策をわかりやすく発信していきます。

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