若い団員が残るか、辞めるか。
その分かれ目は「やりがい」よりも、ある瞬間を経験できたかどうかです。
現場で見てきた実感をもとに整理します。
■① 初めて「自分が役に立った」と実感したとき
若年層が一番強く残るのは、
技術が身についたときではありません。
・誘導で混乱を防げた
・声かけで住民が落ち着いた
・準備が現場を支えた
小さくても役割を果たせた実感が残ります。
■② 出動後に「ありがとう」を直接言われたとき
現場では、
・住民からの一言
・高齢者の安心した表情
これが強く記憶に残ります。
若年層ほど、
評価を数字や称号ではなく、
人の反応で感じ取ります。
■③ 自分の立ち位置が分かった瞬間
続く団員は、必ずこう言います。
「自分はここをやればいいんですね」
役割が明確になった瞬間、
不安が減り、主体性が生まれます。
■④ 無理をしなくていいと分かったとき
現場で離脱する若年層の多くは、
「全部出なきゃいけない」と思い込んでいます。
逆に、
・出られない日は出なくていい
・できる範囲でいい
と明確に伝えられた団員は、
安心して続きます。
■⑤ ベテランに認められた一言
形式的な褒め言葉ではありません。
・「今の判断よかった」
・「助かった」
この一言で、
若年層の意識は大きく変わります。
■⑥ 仲間として扱われたと感じた瞬間
命令される側ではなく、
意見を聞かれた経験。
・若手の提案が採用された
・意見に耳を傾けてもらえた
ここで「居場所」を実感します。
■⑦ 行事や訓練の意味が腑に落ちたとき
「やらされている訓練」から、
「自分の身を守る訓練」へ。
意味が理解できた瞬間、
見え方が変わります。
■⑧ 現場で見た共通点
若年層が「入ってよかった」と言う分団は、
共通してこうです。
・最初から期待しすぎない
・役割を限定して任せる
・感謝を言葉にする
特別なことはしていません。
■⑨ 結論
若年層が続く理由は、
気合や根性ではありません。
「役に立った」
「必要とされた」
「無理をしなくていい」
この実感を、早い段階で得られたかどうか。
それがすべてです。
消防団は、
若者を使い切る組織ではなく、
育てて残す組織であるべきです。

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