【元消防職員が解説】阪神淡路大震災・豪雨災害の体験談|防災×現場で見えた現実”


被災時の判断、地域の力、そして次への教訓を伝える。

災害対応の教訓は、机上の計画だけでは身につきません。
阪神淡路大震災や豪雨災害の現場を経験して強く感じたのは、
「想定通りにいったことはほとんどない」という現実です。


■① 阪神淡路大震災で突きつけられた現実

1995年1月17日、まだ夜明け前。
突然の激震で建物が揺れ、照明も通信も一瞬で途絶しました。

  • 建物倒壊
  • 道路寸断
  • 通信完全遮断

🚒 実例:神戸市長田区
消防車両が瓦礫で通れず、徒歩で現場に向かう隊員も。
住民が倒壊家屋を素手で掘り起こし、消火活動を支援。
消防と住民の“共助”が、初動の命を救いました。


■② 消防団・地域の力が生きた場面

混乱する現場で力を発揮したのは、日頃から顔の分かる消防団と地域住民です。

  • 誰がどこに住んでいるか
  • 一人暮らしのお年寄りはどの家か
  • 避難しにくい家族はどこか

🏘️ 実例:芦屋市内の一地区
消防団が地元住民と協力し、高齢者宅を一軒ずつ確認。
家の下敷きになっていた住民2名を早期に救出。
住民の「顔が分かる関係性」が生きた瞬間でした。


■③ 豪雨災害で見た“静かな危険”

豪雨災害は静かに迫る災害です。

  • 徐々に水位が上がる
  • 危険が見えにくい
  • 判断が遅れやすい

🌧️ 実例:九州北部豪雨(2017年)
夜間の豪雨で用水路が氾濫。
「避難は明るくなってから」としていた集落の一部が浸水。
夜のうちに避難した隣地区は人的被害ゼロでした。


■④ 実例:避難判断が分かれた地域

同じ雨量でも、“判断”が明暗を分けました。

  • 早めに避難を促した地区 → 被害なし
  • 様子見を続けた地区 → 床上浸水や孤立発生

実例:熊本県内の避難事例(2020年)
消防団がSNS情報を活用して避難呼びかけを実施。
反応が早かった世帯は全員無事避難。
「地域の声+デジタル」は、時間を稼ぐ武器になります。


■⑤ 消防団が直面した限界

現場では、どれだけ動いても人手が足りない現実があります。

  • 長時間活動
  • 睡眠不足
  • 物資の不足
  • 情報の錯綜

🧑‍🚒 実例:西日本豪雨(2018年)
救出活動を続ける中、団員が過労で倒れるケースも。
「助けたい」と「限界」が交錯する現実です。


■⑥ 被災地で聞いた“後悔”

救出後、被災者の口からよく出た言葉があります。

  • 「もっと早く声をかければ」
  • 「強く言えばよかった」
  • 「止める勇気があれば」

💭 現場記録より(岡山県真備町)
「行かないと言ったおばあちゃんが、翌日亡くなった。
あの時もう一言あれば…」と泣き崩れる団員の姿を忘れられません。


■⑦ 経験から得た教訓

実災害を通して、私が痛感したのはこの3つです。

  • 早めの判断
  • 完璧を求めない柔軟さ
  • 人命最優先の原則

どんな訓練よりも、現場が本物の教科書でした。


■⑧ 体験談を語るときの責任

体験談を共有する目的は、
恐怖を煽ることでも英雄談にすることでもありません。

  • 「次に活かすため」
  • 「誰かの判断を助けるため」
  • 「備えの意識を広げるため」

■⑨ まとめ:現場は想定を超える

災害現場は、必ず想定を超えます。

平時から:

  • 判断を軽くする(チェックリスト化)
  • 迷わない基準を持つ(地域で統一)
  • 一人で抱え込まない(連携体制)

これを整えることが、次の命を守る現実的な防災です。


📘 防災×現場実感シリーズ
次回は「現場で学んだ“伝える防災”──住民への声かけ術」について解説予定です。

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