【元消防職員が解説】防災庁創設へ 司令塔としての機能強化と自治体支援のポイント

政府は2025年12月26日、防災庁創設に向けた基本方針を閣議決定しました。災害対応の司令塔として、平時の防災から復旧・復興まで一貫した体制を整備する狙いです。防災士や元消防職員としての現場経験から、防災庁創設が地域防災に与える影響を解説します。


■① 防災庁の役割

防災庁は内閣直属の組織で、トップに首相を補佐する「防災相」を配置。他府省庁への勧告権を有し、平時の事前防災から災害発生時の対処、復旧・復興までを一貫して担う司令塔として位置付けられています。


■② 人員増強と組織体制

令和8年度予算案で、内閣府防災部門の1.6倍にあたる352人へ増員。現行220人から大幅な拡充です。局長級職員は政策統括官1人から4人に増員され、総合政策、事態対処、防災計画、地域防災の4部局を割り当てます。


■③ 予算と自治体支援

令和8年度の関連費は202億円。うち、防災力強化総合交付金として35億円を各自治体に支援。大規模災害時の被災状況を具体的に数値でシミュレーションする取り組みが後押しされます。防災庁運営経費には45億円が計上されています。


■④ 地方機関の設置

地方機関は日本海溝・千島海溝型地震(北海道・東北)や南海トラフ巨大地震(東海~九州)への事前対策と迅速支援の拠点となる予定です。基本方針では、本庁の設置を先行させ、担うべき機能や適地の検討を進めると明記。9年度以降、順次1カ所ずつ設置予定です。


■⑤ 災害対応の一元化

防災庁創設により、従来は各府省庁や自治体が個別に対応していた災害対応を一元化。現場での指揮系統が明確化され、災害発生時の意思決定や迅速な支援が可能となります。


■⑥ 平時の防災強化

平時の事前防災も防災庁の重要な役割。自治体の防災計画や避難訓練、地域のリスク評価を支援し、南海トラフ巨大地震や日本海溝・千島海溝型地震などリスクの高い地域の備えを強化します。


■⑦ 現場経験から見た意義

元消防職員として感じるのは、防災庁創設によって現場指揮や情報共有の迅速化が期待できる点です。従来、各自治体や消防本部間で情報伝達が遅れる場面もありましたが、一元化により状況把握や資機材配備が効率化されます。


■⑧ 自律型避難と地域防災

防災庁が設置されても、地域住民の自律型避難の重要性は変わりません。災害現場では、住民が自ら判断・行動する力と、避難所での基本的備えが生死を分けるケースが多くあります。


■まとめ|防災庁創設で期待される効果

防災庁は災害対応の司令塔として平時・事後を一貫して担う組織です。人員増強、予算拡充、地方機関設置によって、自治体支援や災害対応の迅速化が期待されます。元消防職員としても、現場での指揮統括の明確化は大きな前進と考えます。

結論:
防災庁創設による一元的指揮体制と自治体支援の強化は、災害時の対応力向上と住民の安全確保に直結する。地域防災と自律型避難の意識を併せ持つことが、被害軽減の鍵となる。

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