乳幼児の事故の中で最も多いのが「誤飲」。
特に1〜3歳は「何でも口に入れて確かめる」成長段階にあり、
家庭内でも誤飲事故は毎日のように発生しています。
元消防職員として、
誤飲は“完全に防げる事故”である一方、
命に関わる重大事故につながるケースも数多く見てきました。
この記事では、乳幼児の誤飲で多い物、危険度、家庭の対策、
そして誤飲時の正しい応急処置を徹底的に分かりやすく解説します。
■① 乳幼児の誤飲が多い理由
乳幼児の行動特性が事故を招きます。
●なんでも口に入れて確かめる
世界を知るための自然な行動。
●手先が未熟で落としやすい
拾う→口に入れる が一瞬。
●親が安全と思うサイズでも危険
1円玉・電池・ボタンなどすべて対象。
●視線が低く、床の小物に気付きやすい
大人が見落とすものを口にする。
■② 誤飲で特に多い“危険な物”
消防・救急で最も多く、重症化しやすいものです。
●ボタン電池(最危険)
飲み込むと2時間で食道を溶かし、命に関わる。
●磁石(ネオジム磁石など)
複数飲むと腸を挟み込み壊死する。
●硬貨(1円玉・5円玉・10円玉)
最も件数が多い。窒息リスクあり。
●医薬品・サプリ
1錠でも危険。特に心疾患薬・糖尿病薬など。
●タバコ・液体タバコ
少量でも嘔吐・意識障害の危険。
●洗剤(ジェルボール)
破損して化学薬品が口・目・喉に付着。
●ビーズ・小さなおもちゃ
誤飲→窒息につながる。
■③ “窒息”につながる誤飲の特徴
窒息は数分で脳にダメージを与える緊急事態。
●直径3.5cm以下
乳幼児の喉に入りやすい。
●丸くてつるつるしている
ビー玉・飴・ナッツ類は喉に詰まりやすい。
●つかみやすい大きさ
お菓子・おもちゃに多い。
■④ 誤飲を防ぐ家庭環境づくり
事故の90%は「環境」で防げます。
✔ 高所に置く(120cm以上)
電池・薬・硬貨・文具・化粧品など。
✔ 床に物を置かない
片付けは誤飲予防の第一歩。
✔ ゴミ箱にフタをつける
ティッシュ・包装が誤飲されやすい。
✔ 小物はまとめて収納
兄弟がいる家庭は特に重要。
✔ 使用済み電池を放置しない
必ず回収・テープ処理を。
■⑤ 誤飲事故が疑われるサイン
次のような様子があれば、誤飲の可能性が高いです。
- 口を押さえる
- 咳き込む・えづく
- よだれが増える
- 顔色が悪い
- 呼吸が苦しそう
- ぐったりしている
- 口の中に異物が見える
少しでも「おかしい」と感じたら即対応が必要。
■⑥ 誤飲時の正しい応急手当(絶対に覚えておくべき)
誤った対処が命を危険にさらすことがあります。
●やってはいけないこと
× 指を突っ込んで取ろうとする
× 無理に吐かせる
× 水や牛乳を飲ませる
(化学反応で悪化することがある)
●正しい対処
✔ 目に見える異物は慎重に取り除く
奥に入りそうなら触らない。
✔ 咳ができている → 咳を継続させる
無理に背中を叩かない。
✔ 呼吸ができない → 背部叩打・胸部突き上げ
※乳児と幼児で方法が異なる。
✔ ボタン電池・磁石・薬 → 即119番
時間との勝負。
■⑦ いつ救急車を呼ぶべきか
以下のいずれかがあれば迷わず119番。
- 呼吸がしづらい
- チアノーゼ(唇が紫)
- 意識がもうろう
- 多量の薬を飲んだ可能性
- ボタン電池の誤飲
- 磁石を2つ以上飲んだ可能性
- 苦しがって泣き止まない
誤飲は“時間経過で急激に悪化”するケースが多い。
■⑧ 事故を防ぐために家庭でできる“仕組み化”
再発を防ぐために、以下の仕組みが有効です。
✔「誤飲BOX」を作る
電池・薬・小物はまとめてひとつの箱へ。
✔ 子どもの行動導線に物を置かない
床・ソファ周り・テーブルの上が危険地帯。
✔ 兄弟ルールの設定
上の子のおもちゃは保護者同伴で。
✔ 公園・外出先でも要注意
石・葉っぱ・木の実の誤飲も多数。
■まとめ|誤飲は“家庭で最も防げる重大事故”
乳幼児の誤飲は、一瞬の油断で起きますが、
正しい環境づくりと知識があればほぼ確実に防げます。
結論:
誤飲は「大人の環境管理」でほとんど防げる。危険物の管理と観察が、子どもの命を守る最大の防災である。
元消防職員として、
誤飲は「知っていれば防げた」「対策すれば救えた」事故があまりにも多いと実感してきました。
ぜひ今日から、家の中の“危険物の棚卸し”をしてみてください。

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