冬の火災では、
他の季節よりも逃げ遅れが多いという特徴があります。
現場で何度も感じたのは、
「火が強かったから」ではなく、
冬特有の条件が重なっていたという事実です。
■① 就寝中の発生が多い
冬の火災は、
・暖房使用中
・夜間・早朝
に多く発生します。
眠っている状態では、
・気づくのが遅れる
・判断が鈍る
この時点で、
逃げ遅れのリスクが一気に高まります。
■② 寒さが行動を止める
冬は、
「外は寒い」
「もう少し様子を見よう」
という心理が働きます。
この寒さへのためらいが、
避難開始を遅らせ、
結果的に逃げ遅れにつながります。
■③ 厚着・布団が動きを奪う
冬は、
・厚着
・布団の中
という状態からの避難になります。
・動きにくい
・立ち上がるのが遅れる
この数秒〜数十秒が、
致命的な差になります。
■④ 暖房器具の確認で時間を失う
現場で多いのが、
・ストーブを消そうとする
・元栓を確認しようとする
という行動です。
しかし煙が出ている段階では、
確認より避難が最優先です。
■⑤ 煙への反応が遅れる
冬は空気が乾燥し、
・煙が見えにくい
・臭いに気づきにくい
ことがあります。
「まだ大丈夫」
と判断している間に、
煙は急速に広がります。
■⑥ 玄関が使いにくい
冬の玄関は、
・靴が散乱
・物が置かれている
ケースが多く、
夜間は特に危険です。
つまずきや転倒が、
避難を妨げます。
■⑦ 家族の判断がバラつきやすい
寒さや眠気の中では、
・声が届かない
・意思疎通が遅れる
結果として、
家族を探す行動が発生し、
逃げ遅れにつながります。
■⑧ 「すぐ消える」という思い込み
冬の火災で多い後悔が、
「小さい火だった」
「すぐ消えると思った」
という認識です。
しかし冬は、
燃え広がる条件が揃っています。
■まとめ|冬の逃げ遅れは「環境と心理」の問題
冬の火災で逃げ遅れが増える理由は、
・就寝
・寒さ
・動きにくさ
・判断の遅れ
が同時に重なるからです。
結論:
冬の火災では、「迷った時点で逃げる」が正解。
元消防職員としての現場経験でも、
助かった人ほど、
判断が早く、行動が単純でした。
冬の火災では、
考える前に外へ出る。
それが命を守る唯一の近道です。

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