【元消防職員が解説】防災×多様性 ― 女性の声が避難所を救う理由

災害現場では、スピードと統率が求められます。しかし、それ以上に重要なのが「気づける力」です。

ある女性自衛官が、男性中心の会議で提案したのは、たった2つの生活必需品――生理用品とオムツでした。

この一言が、避難所環境を大きく変えました。


■① なぜ会議では気づけなかったのか

災害対策会議は迅速さが重視されます。

救助、物資、インフラ復旧。

優先順位は当然のように「命」に集中します。

しかし、その「命」の中に、女性や乳幼児の視点が抜け落ちることがあります。

悪意ではありません。ただ「想像できなかった」だけなのです。


■② 生理用品とオムツが意味するもの

生理用品やオムツは、命に直結しないように見えるかもしれません。

しかし、
・トイレに行けない環境
・授乳や乳児ケアの不安
・衛生環境の悪化

これらは心身の健康に直結します。

避難所生活の質は、復旧のスピードにも影響します。


■③ 現場で見た“気づきの差”

私は被災地派遣でLOとして自治体調整に関わりました。

物資リストには水・毛布・食料が並びます。

しかし、女性用品や乳児用品は後回しになりがちでした。

実際に多かった失敗は、
「誰かが持ってくるだろう」
という前提です。

その“誰か”が存在しないことが現場ではよくあります。


■④ 多様性は防災力そのもの

米軍工兵学校では「多様性は組織の強さ」と教えられています。

最前線の兵士の声が、装備や戦術を変える。

災害現場でも同じです。

現場の声が制度を進化させます。


■⑤ 女性活躍は“配慮”ではなく“機能”

女性の視点は「配慮」ではありません。

それは現場機能の強化です。

・授乳室の設置
・更衣スペースの確保
・プライバシー対策

これらは避難所トラブルの予防にもなります。


■⑥ 行政が言いにくい本音

行政は公平性を重視します。

しかし本音では、
「声を上げてくれたほうが助かる」
という現実があります。

ニーズは現場でしか分かりません。

声を出すことは、わがままではありません。


■⑦ 自律型避難の視点

避難所にすべてを期待するのではなく、

・女性用品の備蓄
・乳児用品の備え
・避難服の準備

家庭単位で準備することが、自律型避難につながります。

避難服としては、防災専用品を新たに買う必要はありません。むしろ、普段から着ているスウェットや部屋着をローリングストックとして用意しておく方が現実的です。例えば、ユニクロやGUのスウェットは、動きやすく、体温調整もしやすいため、避難所生活との相性が良い服装の一例と言えます。


■⑧ 声が命綱になる

災害現場で感じたことがあります。

「小さな違和感を言葉にできる人」が、結果的に多くの人を守ります。

環境は待つものではなく、創るものです。


■まとめ|防災に必要なのは“気づきの多様性”

災害対策は、物資の量だけでは決まりません。

結論:
多様な視点がある組織ほど、命を守る力は強くなります。

元消防職員として現場に立ってきた経験から言えるのは、
「気づいた人が動いた現場は強い」ということです。

あなたの声は、誰かの命綱になるかもしれません。

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