【元消防職員が解説】防災×林野火災警報|火の使用制限と罰則を正しく理解する

東京消防庁は令和8年1月1日から「林野火災警報等」の運用を開始します。
林野火災多発期(1月〜5月)に一定の気象条件を満たした場合、対象市町村で火の使用が制限されます。

違反した場合、30万円以下の罰金または拘留の可能性もあります。
これは単なる注意喚起ではなく、実効性を持つ制度です。


■① 林野火災警報とは何か

林野火災警報は、強風や乾燥が重なり、延焼リスクが高いと判断された場合に発令されます。

主な発令条件は以下です。

・強風注意報発表
・直近3日間降水量1mm以下
・直近30日間降水量30mm以下
・乾燥注意報発表

これらを満たした場合、市町村単位で発令されます。


■② 注意報との違い

令和8年4月からは「林野火災注意報」も運用開始予定です。

警報は“制限+罰則あり”。
注意報は“努力義務”。

段階的に火災予防を強化する仕組みです。


■③ 制限される行為

発令中に制限されるのは「裸火で火の粉が飛散する行為」です。

・山林での火入れ
・花火
・たき火
・火遊び
・可燃物近くでの喫煙

伝統行事のどんど焼きも対象になります。


■④ 規制対象外の行為

以下は制限対象外です。

・バーベキュー台
・七輪
・ガス器具

ただし、火の粉が飛散しない適切な使用が前提です。


■⑤ 被災地で見た山火事の怖さ

元消防職員として山林火災現場に立った経験がありますが、
乾燥と風が重なると、火は一瞬で制御不能になります。

防災士として現場で多かった誤解は、
「小さな火なら大丈夫」という思い込みです。

落ち葉は想像以上に燃え広がります。


■⑥ なぜここまで厳しくするのか

令和7年2月に発生した岩手県大船渡市の大規模林野火災を受け、国が制度強化を検討しました。

林野火災は、

・人命被害
・住宅被害
・森林資源損失

を同時に引き起こします。

未然防止が最重要です。


■⑦ 発令状況の確認方法

発令状況は以下で確認できます。

・東京消防庁ホームページ
・公式X
・公式アプリ
・防災行政無線
・消防車両巡回広報

自律型防災として、自分で確認する姿勢が重要です。


■⑧ 届出制度のポイント

煙や火を出す行為は、原則3日前までに消防署への届出が必要です。

ただし、警報中は届出しても火の使用制限は免除されません。

ここを誤解しないことが重要です。


■まとめ|火は一瞬、被害は長期

林野火災は、わずかな火種から拡大します。
気象条件が整えば、制御は極めて困難です。

結論:
警報が出ている時は「やらない勇気」が最大の防災行動です。

元消防職員として現場で確信しているのは、
山火事は“起こさないこと”が唯一の完全な対策だという事実です。
火の取り扱いは、年間を通じて慎重に。

出典:東京消防庁「林野火災警報等の運用開始について」

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