自律型避難で最も重要なのは、「自分の判断で」「最後まで動き続けられる力」です。ここで見落とされがちなのが身体の使い方。江戸時代の知恵である「江戸走り」は、自律型避難の思想と非常に相性が良い動きです。
■① 自律型避難に必要なのは“速さ”ではない
自律型避難とは、行政の指示を待たず、危険を察知して主体的に行動すること。
その際に求められるのは、
・短距離ダッシュ
・力任せの移動
ではなく、安全を確認しながら長く動ける能力です。
江戸走りは、上下動が少なく、視線が安定するため、周囲を確認しながら移動できます。
■② 江戸走り=判断力を落とさない移動法
避難中に最も怖いのは「疲労による判断ミス」です。
息が上がると、
・危険を見落とす
・無理な近道を選ぶ
・人の流れに流される
といった行動が増えます。
江戸走りは呼吸が乱れにくく、判断力を保ったまま避難できる動きです。
■③ 被災地で見た「自律できた人」の共通点
被災地派遣で感じたのは、自律的に避難できた人ほど「焦らない動き」をしていたことです。
走らず、歩きすぎず、一定のリズムで移動していた人は、結果的に安全な場所へ早くたどり着いていました。
この動きは、まさに江戸走りの考え方そのものでした。
■④ 自律型避難は“72時間動ける前提”
自律型避難では、
・避難所が満員
・移動のやり直し
・長距離移動
が発生することもあります。
江戸走りは、72時間スパンで体力を残す動きとして有効です。これは現代のマラソン理論とも一致します。
■⑤ 高齢者・子どもでも取り入れやすい
自律型避難は「一部の体力がある人」の話ではありません。
江戸走りは、
・筋力に頼らない
・歩幅が小さい
・転倒リスクが低い
という特徴があり、高齢者や子どもにも応用可能です。
■⑥ 自律型避難と“脱力”の重要性
自律型避難では、身体だけでなく心の余裕も必要です。
力を抜いた動きは、
・恐怖心を抑える
・パニックを防ぐ
効果があります。
これは災害対応の現場でも実感してきたポイントです。
■⑦ 消防・防災士の視点からの提案
元消防職員・防災士として感じるのは、「避難=全力疾走」という誤解が根強いこと。
自律型避難の教育には、江戸走りのような“省エネ移動”を組み込むべきだと考えています。
■⑧ 今日からできる最小行動
・腕を振らず、肩の力を抜いて歩いてみる
・歩幅を小さく、一定のリズムで移動する
これだけでも、江戸走り的な動きに近づきます。
■まとめ|自律型避難は「身体設計」から始まる
自律型避難とは、判断・装備・知識だけでなく、動き方の設計も含めた総合力です。
江戸走りは、災害時に判断を鈍らせず、最後まで動き続けるための“身体の備え”。
現代防災にこそ、取り入れる価値のある知恵です。

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