【元消防職員が解説】防災×江戸走り|高齢者の転倒を防ぐ「脱力フォーム」で安全に避難する方法

災害時の避難で最も多い事故の一つが、高齢者の転倒です。段差や瓦礫、暗がりや焦りが重なると、普段は問題なく歩ける方でも一気にリスクが高まります。そこで注目したいのが、体への負担が少ない「江戸走り」の考え方を応用した転倒防止の動きです。


■① 高齢者避難で転倒が起きやすい理由

避難時は、
・歩幅が無意識に大きくなる
・前傾姿勢になりやすい
・腕でバランスを取ろうとして体がぶれる
といった状態になりがちです。これがつまずきや転倒の原因になります。


■② 江戸走りの「脱力」が転倒防止に効く理由

江戸走りの本質はスピードではなく、力を抜いて体を運ぶことです。上下動を抑え、足裏全体で地面を感じながら進むため、足元の変化に気づきやすくなります。高齢者にとって重要なのは、この安定感です。


■③ 高齢者向けにアレンジした江戸走りフォーム

高齢者には「走る」必要はありません。
・歩幅を小さくする
・かかとから強く着地しない
・腕は軽く体の横に置く
この3点を意識するだけで、江戸走りの要素は十分に活かせます。


■④ 理学療法の視点と共通する動き

この動きは、理学療法士が推奨する「重心を体の真下に保つ歩行」と非常に近い考え方です。無理に足を上げず、体を前に送り出すことで、膝や腰への負担も減らせます。


■⑤ 被災地で実感した「転ばない動き」の差

被災地派遣やLO活動で印象的だったのは、歩き方が安定している高齢者ほど避難を途中で諦めないという点です。小さな一歩を積み重ねられる方は、周囲の助けも受けやすく、結果的に安全に移動できていました。


■⑥ 家族ができる声かけの工夫

「急いで」「早く」ではなく、
・「小さく歩こう」
・「足元だけ見て大丈夫」
・「休みながら行こう」
こうした声かけが、転倒リスクを下げます。


■⑦ やらなくていい防災

・普段しない早歩き練習
・坂道での無理な訓練
・夜間に一人で歩かせる
これらは逆効果です。安全確認が最優先です。


■⑧ 今日からできる最小行動

天気の良い日に、
・家の前を「歩幅小さめ」で5分歩く
・段差を一つ一つ確認しながら進む
これだけで、災害時の転倒リスクは確実に下がります。


■まとめ|高齢者避難は「速さ」より「安定」

江戸走りの考え方は、高齢者の避難行動を安全にするヒントが詰まっています。

結論:
高齢者の命を守るのは、走る力ではなく「転ばない動き」です。
元消防職員として現場を見てきた立場からも、安定した歩行ができる方ほど、避難が長引いても大きな事故につながりにくいと感じています。

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