冬場の衣類や寝具は、洗濯後でも静電気をため込みやすくなります。
「柔軟剤を使えば火災対策になるのか?」という疑問は、現場でもよく聞かれました。
結論から言うと、柔軟剤は“防炎”ではないが、静電気対策としては有効です。
■① 柔軟剤の役割は「防炎」ではない
柔軟剤は、繊維の表面をコーティングし摩擦を減らすことで、
・衣類のゴワつき防止
・静電気の発生抑制
といった効果があります。
ただし、燃えにくくする効果(防炎性能)はありません。
■② なぜ柔軟剤で静電気が減るのか
静電気は、乾燥した繊維同士が擦れることで発生します。
柔軟剤に含まれる界面活性剤が繊維表面の摩擦を抑え、電気の蓄積を防ぎます。
特に化学繊維(フリース・ポリエステル)では効果が出やすい特徴があります。
■③ 消防現場で実感した「洗濯後トラブル」
被災地派遣(LO)で仮設住宅を回った際、
「洗濯した毛布なのにバチバチする」という相談が多くありました。
原因の多くは
・乾燥機の使いすぎ
・柔軟剤未使用
・極端な乾燥環境
でした。
■④ 静電気を抑える正しい洗濯ポイント
消防の生活安全指導で伝えているポイントは以下です。
・柔軟剤は規定量を守る(多すぎは逆効果)
・乾燥機は短時間で止める
・自然乾燥を一部取り入れる
これだけで静電気量は大きく変わります。
■⑤ 寝具・毛布は「洗い方」が重要
毛布や布団カバーは、
・柔軟剤入り洗剤
・低温乾燥 or 途中で取り出す
を意識することで、寝る前のバチバチを防げます。
■⑥ 柔軟剤を使っても注意が必要な素材
以下の素材は、柔軟剤を使っても帯電しやすい傾向があります。
・フリース
・アクリル
・ナイロン
これらは、素材選びそのものが静電気対策になります。
■⑦ やらなくていい防災
・「防炎になる」と誤解して過信する
・柔軟剤を大量投入する
これらは逆に安全性を下げます。
■⑧ 今日できる最小行動
・洗濯表示を確認する
・柔軟剤を適量使う
・乾燥機を使いすぎない
これだけで、静電気由来の火災リスクは確実に下がります。
■まとめ|柔軟剤は“補助的な防災”
柔軟剤は魔法の防災グッズではありません。
しかし、正しく使えば静電気を減らす有効な生活対策になります。
結論:
柔軟剤は防炎ではないが、静電気火災を防ぐ「習慣の一部」にはなる
元消防職員として、火災の芽は「洗濯や乾燥」といった日常に潜んでいると感じています。

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