鼻血は日常で最も多い救急相談のひとつですが、
「上を向かせる」「首の後ろを叩く」など、
実は“間違った処置”が今も広く行われています。
元消防職員として現場で多くの誤った対応を見てきましたが、
正しい知識を身につけていれば、ほとんどの鼻血は短時間で安全に止められます。
この記事では、災害時や外出先でも使える
“誰でもできる鼻血の正しい応急手当”を徹底解説します。
■① 鼻血の多くは“前方出血”
鼻血が出る場所は大きく2種類あります。
●前方出血(90%以上)
鼻の入り口近くの粘膜から出る。
子どもに多く、ほとんどは軽症。
●後方出血(まれ・重症)
大量に喉に流れ込むタイプ。
高齢者・外傷・基礎疾患で起きやすい。
まずは出血のタイプを理解することで、落ち着いて対応できます。
■② 絶対にやってはいけない鼻血処置
救急現場で最も多い“危険な誤解”です。
❌ 上を向かせる
血が喉に流れ込み、誤嚥や嘔吐につながる。
❌ ティッシュを奥まで詰める
粘膜を傷つけ、出血が悪化する。
❌ 後頭部を叩く
医学的根拠なし。逆効果。
これらは災害時でも同じく禁止。
正しい方法を知っておけば、家族を確実に守れます。
■③ 正しい鼻血の止め方(標準処置)
元消防職員として必ず伝えてきた“基本の3ステップ”です。
✔① 前かがみで座らせる
血を飲みこまないよう、軽くうつむく姿勢。
✔② 小鼻を10〜15分しっかり圧迫
親指と人差し指で、小鼻の柔らかい部分を強くつまむ。
※骨の部分を押しても止まりません。
✔③ 冷やす(あれば)
鼻の付け根〜額を冷やして血管を収縮させる。
ほとんどの鼻血はこの方法で止まります。
■④ どれくらい圧迫を続ければよい?
多くの人は 数十秒で離してしまう のが問題。
●最低10分、理想は15分
途中で確認すると再出血するため、時計を見て時間を測ること。
●子どもは気が散りやすいため大人がしっかり支える
絵本を見せる・スマホ動画などで気を紛らせてOK。
■⑤ 鼻血が起きる原因(知っておくと予防できる)
家庭でも避難所でも非常に多いパターンです。
- 乾燥(冬・エアコン・暖房で悪化)
- 強い鼻ほじり
- 鼻を強くかむ
- アレルギー性鼻炎
- 軽い衝撃
- 発熱・疲労
- 高血圧(大人)
災害時はストレス・乾燥で鼻血が増えるため、知識が重要です。
■⑥ 災害時・避難所での鼻血対応のポイント
避難所環境では以下が特に重要。
●乾燥対策
濡れタオル・マスクで鼻粘膜を守る。
●ティッシュの深い挿入禁止
感染症リスク・粘膜損傷につながる。
●衛生資材が少ない場合
圧迫止血が最強の方法。
■⑦ すぐに医療機関へ行くべき“危険な鼻血”
次の症状があれば緊急性が高いです。
- 20分以上止まらない
- 大量出血・血が喉に流れ込む
- 意識がもうろう
- 頭を強く打った後に出血
- 高齢者の大量出血
- 血液サラサラの薬を飲んでいる人
- 再出血を繰り返す
- 片側だけで悪臭のある鼻血(異物の可能性)
迷ったら119番で相談を。
■⑧ 子どもの鼻血発生時にしてはいけない声かけ
意外とメンタルを悪化させます。
❌「動かないで!」
→ 子どもは緊張して泣き、鼻血が悪化。
✔ 正解
「大丈夫、一緒に止めようね」
安心させると血圧も上がらず止まりやすい。
■まとめ|鼻血は“正しい知識”があれば数分で止まる
鼻血は日常の小さな事故ですが、
誤った処置をすると長引き、窒息や嘔吐を招く危険があります。
結論:
鼻血は“前かがみ+小鼻圧迫”が絶対ルール。どんな状況でもこの基本を守れば安全に止血できる。
元消防職員として、
「上を向かせて大量に血を飲んでしまった」ケースを多く見てきました。
正しい対応を知っているだけで、あなたは家族の命を守る存在になれます。

コメント