119番のビデオ通話(映像通報)は、単なる便利機能ではありません。
それは、到着前に「消防士の目」を現場へ送る仕組みです。
私は元消防職員として現場活動を経験し、被災地派遣(LO)として情報調整にも関わってきました。
その中で強く感じてきたのは、最初の情報の質が、その後の医療判断を左右するという事実です。
特に重要なのが、
ドクターヘリの要請
ドクターカーの要請
といった高度医療出動の判断です。
映像は、その判断を一段早める可能性があります。
目次
- ■① なぜ“目”があると初動が変わるのか
- ■② 言葉だけでは限界がある理由
- ■③ 救急現場で映像が変える医療判断
- ■④ ドクターヘリ・ドクターカー要請への影響
- ■⑤ 火災・事故現場で映像が守る安全
- ■⑥ 通報者側のメリット
- ■⑦ それでも優先すべきは「通報者の安全」
- ■⑧ まとめ:あなたのスマホが医療判断を早める
■① なぜ“目”があると初動が変わるのか
消防隊は出動指令を受けた瞬間から作戦を立てています。
・重症度はどれくらいか
・現場は安全か
・どの隊を追加すべきか
口頭情報だけでは「想像」に頼る部分が出ます。
映像があると、その想像が「確度の高い判断」に変わります。
現場で最も怖いのは、「思っていたより重い」ケースです。
映像は、そのギャップを減らします。
■② 言葉だけでは限界がある理由
通報者は極度の緊張状態です。
- 「意識がない」と言っても、実際は反応が弱いだけかもしれない
- 「大量出血」と感じても、医学的重症とは限らない
- 「呼吸していない」が誤認の場合もある
被災地派遣(LO)での経験でも、
情報の曖昧さは判断を慎重にし、時に遅らせます。
映像は、
呼吸の動き・顔色・外傷の状態・反応レベル
を客観的に示します。
それが医療判断を前に進めます。
■③ 救急現場で映像が変える医療判断
救急で重要なのは「時間依存性疾患」です。
- 心停止
- 重度外傷
- 脳卒中
- 心筋梗塞
これらは数分単位で予後が変わります。
映像があれば、
- 胸の動きで呼吸有無を確認
- 心臓マッサージの質を修正
- 意識レベルを評価
- 出血量や損傷の範囲を把握
私は元消防職員として、
「あと少し早ければ」と感じた現場を忘れられません。
映像は、その“あと少し”を縮める可能性があります。
■④ ドクターヘリ・ドクターカー要請への影響
ここが非常に重要です。
ドクターヘリやドクターカーは、
医師が現場へ向かう高度医療出動です。
要請判断は、
- 重症度
- 現場状況
- 搬送時間
- 医療介入の必要性
を総合して行われます。
映像があると、
- 意識レベルが明らかに低い
- 多発外傷が疑われる
- 呼吸が不安定
- 出血が著しい
といった重症所見を早期に把握できます。
その結果、
ドクターヘリ・ドクターカーの要請判断が早まる可能性があります。
逆に、軽症と分かれば適正な出動体制に整えられます。
これは医療資源の最適化にもつながります。
■⑤ 火災・事故現場で映像が守る安全
映像は救急だけでなく、
- 火災規模
- 延焼状況
- 危険物の有無
- 逃げ遅れの可能性
の事前評価にも役立ちます。
隊員の安全確保は最優先です。
映像は、その安全判断を前倒しします。
■⑥ 通報者側のメリット
映像通報は通報者にも安心を与えます。
- 応急手当をその場で修正してもらえる
- 自分の判断が間違っていないと確認できる
- 孤立感が減る
現場では、
「これで合っていますか?」という声を多く聞きました。
映像は、その不安を減らします。
■⑦ それでも優先すべきは「通報者の安全」
重要なのはこれです。
映像よりも優先すべきは通報者の安全。
- 火の近くに近づかない
- 車道で立ち止まらない
- ガス臭い場所で操作しない
危険な場合は音声だけで十分です。
■⑧ まとめ:あなたのスマホが医療判断を早める
119ビデオ通話は、
消防士の“目”を先に現場へ送る仕組みです。
そしてその目は、
ドクターヘリ要請
ドクターカー要請
といった高度医療判断にも影響します。
私は元消防職員として、
そして被災地派遣・LO・防災士として現場を見てきました。
助かるかどうかは、
劇的な奇跡よりも、最初の数分の判断で決まることが多い。
あなたのスマホは、
いざという時、医療判断を一歩早める可能性を持っています。
それを知っておくだけでも、防災力は確実に上がります。
出典
東京消防庁「映像を活用した口頭指導(Live119)」
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/119/live119.html


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