【元消防職員が解説】PM2.5は災害時に何が危険なのか|防災×空気環境

PM2.5は平常時の健康問題として知られていますが、災害時にはその影響が一段と深刻になります。
現場では、避難や復旧の混乱の中で、空気環境まで十分に意識できない状況が続きます。

その結果、PM2.5が「気づかないうちに体力を奪う要因」になるケースが少なくありません。


■① PM2.5とは何か

PM2.5とは、直径2.5マイクロメートル以下の微小な粒子状物質です。
非常に小さいため、鼻や喉で止まらず、肺の奥まで入り込みます。

目に見えないことが、最大の厄介さです。


■② 災害時にPM2.5が増えやすい理由

災害が起きると、PM2.5が発生・滞留しやすい条件が重なります。

・建物倒壊や土砂による粉塵
・火災や焼却による煙
・車両や重機の排気ガス
・換気が制限された屋内環境

平常時よりも、吸い込む量が増えやすくなります。


■③ 避難行動への影響

PM2.5は、避難行動そのものにも影響します。

・咳や息苦しさで移動が遅れる
・頭痛や倦怠感で判断力が落ちる
・疲労が抜けにくくなる

特に長距離避難や夜間避難では、行動力の低下が命に直結します。


■④ 健康被害は短期間でも起きる

PM2.5の影響は、長期間浴び続けた場合だけではありません。
災害時のような高濃度環境では、短期間でも症状が出ます。

・喉の痛み
・咳、息苦しさ
・目の違和感
・強い疲労感

高齢者、子ども、呼吸器疾患のある人は特に注意が必要です。


■⑤ 屋内外を問わないリスク

PM2.5は屋外だけの問題ではありません。
避難所や車中泊など、屋内でも滞留します。

・換気不足
・人の密集
・床に溜まった埃の再浮遊

「屋内だから安全」とは言い切れないのが現実です。


■⑥ 現実的な防災対策の考え方

災害時に完璧な対策は難しいのが実情です。
重要なのは、吸い込む量を減らす意識です。

・マスクやタオルで口と鼻を覆う
・風向きや煙の流れを意識する
・体調が悪い人を無理に動かさない

小さな判断が、体力消耗を防ぎます。


■⑦ 長期災害で差が出るポイント

PM2.5の影響は、時間とともに蓄積します。
長期避難や復旧作業では、回復力の差として表れます。

「原因不明の不調」が続く場合、
空気環境を疑う視点も必要です。


■⑧ 防災としての結論

PM2.5は、派手な被害を出しません。
しかし、確実に人の体力と判断力を削ります。

防災とは、
「今すぐ助かるか」だけでなく、
「助かった後に動けるか」を考えることです。

PM2.5を意識することも、立派な防災行動の一つです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました