【元消防職員・防災士が解説】防災×ドローン|「特定重要物資」指定が示す災害対応と国産ドローンの未来

近年、災害現場でのドローン活用は「便利な道具」から「欠かせない装備」へと変わりつつあります。被災地派遣やLOとして現場に入った経験からも、上空から状況を把握できることが、初動対応の質を大きく左右する場面を何度も見てきました。政府がドローンを「特定重要物資」に指定し、国産化支援に踏み出す動きは、防災の観点からも非常に重要な意味を持ちます。


■① 「特定重要物資」に指定された意味

経済安全保障推進法に基づく「特定重要物資」への追加指定は、単なる産業支援ではありません。
災害時や有事において、海外依存では安定供給が難しい物資を、国内で確保するという国家的な判断です。

ドローンがこの枠組みに入ったことは、災害対応インフラの一部として正式に位置づけられたことを意味します。


■② 災害現場でドローンが果たす役割

消防や防災の現場では、ドローンはすでに実戦投入されています。
・倒壊家屋の上空確認
・土砂崩れの範囲把握
・孤立集落への進入ルート確認

実際の被災地では、人が近づけない場所ほど情報が必要になります。ドローンは「人命を危険にさらさずに情報を取れる」貴重な手段です。


■③ 国産化支援が持つ防災上の価値

報道では、研究開発や設備投資に必要な費用の最大50%を助成し、2030年時点で8万台の生産体制を整えるとされています。
これは災害時に「必要なときに、必要な数を確保できる」体制づくりに直結します。

現場では、機体だけでなく、部品供給や整備体制が止まることが最大のリスクになります。


■④ 消防・インフラ点検・農業での活用

支援対象として想定されているのは、
・消防など災害対応用
・橋や道路などのインフラ点検
・農薬散布など農業分野

いずれも平時と災害時の両方で使われる分野です。平時に使われ、鍛えられた技術ほど、災害時に信頼できます。


■⑤ 被災地で感じた「空から見る力」

LOとして被災地に入った際、地上情報だけでは判断が難しい場面が多くありました。
上空から全体を俯瞰できる映像があれば、部隊配置や救助優先順位の判断が格段に速くなります。

ドローンは、現場指揮の質を底上げする装備です。


■⑥ 防災と経済をつなぐ視点

ドローン関連銘柄が注目される背景には、経済的な期待もありますが、防災の視点では「持続可能な供給体制」が重要です。
市場が育ち、企業が継続的に開発できる環境があること自体が、災害対応力の強化につながります。


■⑦ 私たち一般市民との関係

一見すると投資や産業の話に見えますが、
・災害対応の迅速化
・インフラ老朽化の早期発見
・農業の安定

これらはすべて、私たちの生活を支える要素です。ドローン技術の進化は、防災を含めた社会全体の耐災害力を高めます。


■⑧ 防災の観点で注目すべきポイント

今後は、
・国産ドローンが災害現場でどう使われるか
・自治体や消防がどこまで導入するか
・操縦者や運用体制がどう整備されるか

といった点に注目することが、防災意識の一歩になります。


■まとめ

ドローンが「特定重要物資」に指定された背景には、経済安全保障だけでなく、防災・減災の現実的な課題があります。
被災地派遣や現場経験からも、ドローンは今後の災害対応に欠かせない存在です。
国産化支援により、安定供給と技術進化が進めば、災害時の対応力は確実に高まります。
防災は現場だけでなく、産業や政策とつながって進化していくものだと感じています。

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