その日は、前触れもなくやってきます。
クルマのバッテリーは、電圧が正常でも突然死することがあります。
被災地派遣やLOとして活動した現場でも、
「車が動かなかった」ことで避難・支援・連絡が遅れたケースを何度も見てきました。
防災の視点で見ると、車のバッテリーは“命綱”の一つです。
この記事では、なぜバッテリー上がりは突然起きるのか、
そして本当に見るべき指標「CCA」について、分かりやすく整理します。
■① バッテリー上がりは、なぜ突然起きるのか
多くの人が勘違いしています。
- 点検で「電圧は問題なし」
- 普段は普通にエンジンがかかる
- つい最近まで異常なし
それでも、寒い朝に一発で動かなくなる。
これは珍しいことではありません。
実際、−6℃の寒波の朝、
点検では異常なしと言われていた車が、
一切エンジン始動できなくなった事例があります。
■② 電圧だけでは分からない理由
バッテリー点検でよく測られるのが「電圧」です。
- 正常目安:12.5V前後
- これだけを見ると「まだ使える」と判断されがち
しかしこれは、バッテリーの“体力”を見ていない状態です。
災害時・寒冷時に必要なのは、
👉 一瞬で大電流を出す力です。
■③ 本当に大事なのは「CCA」
CCAとは?
CCA(コールドクランキングアンペア)とは、
- −18℃の低温環境で
- 30秒間
- エンジンを回す電流を出せる能力
を示す数値です。
つまり、
寒い朝・雪・災害時にエンジンを始動できるかどうかの指標です。
■④ 実例:電圧OKでもCCAは半分以下
ある車両の実測例です。
- 表示CCA:355A
- 実測CCA:182A
- 到達率:約51%
電圧は10V台を保っていても、
エンジンを回す力が足りず始動不能でした。
これは、防災現場でいうと
「ライトは点くが、無線が飛ばない」状態に近い。
■⑤ 防災視点で見ると、これは危険
被災地派遣やLO活動では、
- 夜間移動
- 悪天候下での出動
- 支援物資搬送
- 家族の避難
など、車が動かない=詰みの場面が多くあります。
実際、
「一度は動いたが、移動先で再始動できなくなった」
という事例も現場で起きています。
👉 バッテリーは“次に動く保証”が重要です。
■⑥ 防災的に正しいバッテリー管理の判断軸
見るべきポイント
- 使用年数:3〜4年超は要注意
- 冬前・寒波前にCCAチェック
- 短距離走行が多い車は劣化が早い
判断基準(防災目線)
- 電圧OKでもCCAが70%未満なら交換検討
- 災害期(冬・台風期)前は早め交換が安全
■⑦ なぜ「ケチらない方がいい」のか
バッテリー代を惜しんで起きることは、
- 予定が飛ぶ
- 支援や仕事に穴が空く
- 避難が遅れる
- 余計な出費(レッカー・タクシー)
元消防職員として言います。
バッテリーは消耗品ではなく、安全装備です。
■まとめ|防災×バッテリーの結論
- バッテリーの突然死は防げる
- 電圧だけでは判断できない
- CCAを見ることが命を守る判断
- 災害・寒波前の交換は「過剰」ではない
防災は、特別な道具より
「動くはずのものが、確実に動く状態」を作ること。
クルマのバッテリー管理は、
家庭防災・地域防災の基礎の一つです。

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