【元消防職員・防災士が解説】防災×地域自律型防災ボックス|“助けを待たない地域”をつくる仕組み

大規模災害では、
最初の72時間は「自分たちで守る時間」です。

私は被災地派遣(LO)として、
熊本地震、能登半島地震などの現場に入りました。

共通していたのは、

「助けが来るまでの空白」です。

道路寸断
通信遮断
物資未到着

その時間をどう乗り切るか。

そこで重要なのが、
地域単位での“自律型”備えです。


■① 地域自律型防災ボックスとは

自治会・町内会単位で設置する、
共助専用の防災キット。

内容はシンプルですが、
実は非常に戦略的です。

・共助チェックリスト
・高齢者優先カード
・孤立リスクマップ記入シート
・無線簡易通信装置

目的は、
「地域が自分で動ける状態」を作ること。


■② なぜ“地域単位”が必要か

行政は広域対応。
消防も広域対応。

しかし、
初動で命を守るのは“近所”です。

私は現場で何度も見ました。

隣の家の声かけが
命を救う。

逆に、
孤立情報が共有されなければ
発見が遅れる。

自治会単位の仕組みは、
その空白を埋めます。


■③ 共助チェックリストの役割

災害時に混乱するのは、
「何をすべきか分からない」から。

ボックス内に、

・安否確認の順番
・高齢者・要配慮者優先順位
・集合場所
・役割分担

を明文化。

判断を軽くすることが、
減災になります。


■④ 高齢者優先カードの意味

災害関連死の多くは、
高齢者です。

移動困難
持病
薬不足

私は避難所で、
薬が届かず体調悪化した高齢者を
何人も見ました。

優先カードは、
「迷わず先に支援する」合図。

遠慮させない仕組みです。


■⑤ 孤立リスクマップの重要性

山間部や半島部では、
集落孤立が現実になります。

政府想定では、
南海トラフ巨大地震で約2700集落が孤立する可能性。

孤立リスクを
平時から“見える化”する。

・橋が1本しかない
・土砂崩れリスク
・高齢単身世帯の集中

紙に落とすことで、
地域の脆弱性が見えます。


■⑥ 無線簡易通信の意味

大規模災害では、
携帯が使えない時間が発生します。

私の派遣経験でも、
通信遮断は常に課題でした。

無線は、

・近距離の状況共有
・避難誘導
・安否確認

に非常に有効。

高価な設備でなくても、
最低限の通信確保は
地域自律の鍵になります。


■⑦ BtoG市場としての可能性

このボックスは、

・自治体向け
・自主防災組織向け
・マンション管理組合向け

の市場があります。

物資ではなく、
「仕組み」を売る。

ハード+ソフトの設計が
重要になります。


■⑧ 今日できる最小行動

・自治会で防災担当を1人決める
・高齢者世帯リストを最新化
・孤立リスクを書き出してみる

完璧でなくていい。

まず、
“見える化”。


■まとめ

地域自律型防災ボックスは、

「助けを待つ防災」から
「自分たちで動く防災」へ

の転換装置です。

災害時、
行政は必ず来ます。

でも、
最初は来ない。

その時間を埋めるのが、
共助です。

命を守るのは、
制度だけでなく、
隣人の行動です。


■出典
内閣府「南海トラフ巨大地震の被害想定について」
https://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/

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