火災出動後、何から手を付けるかが曖昧なまま次の業務に入っていませんか。
被災地派遣やLOとして多くの現場を見てきて感じたのは、除染は知識より「順番(導線)」が命だということです。
ここでは、帰署後30分以内に完結し、二次曝露と家族持ち込みを最小化する
個人除染チェックリスト(実践版)をまとめます。
■① なぜ「チェックリスト化」が必要か
- 忙しい現場では記憶に頼ると抜ける
- 人によって手順がバラつく
- 「今日は軽微だった」という油断が積み重なる
チェックリストは、誰でも同じ質を保つための防災装備です。
■② 帰署直後(現場〜帰署前)|5分
目的:大きな煤を落とし、二次拡散を止める
- ☐ 水スプレーで防火服外側を流す(胸・肩・背中)
- ☐ 手袋・ヘルメット外装を拭き取り
- ☐ 個人装備は密閉袋へ
- ☐ 素手で顔・首を触らない
※完璧を目指さない。「落とす意思」を最優先。
■③ 帰署後(脱衣〜洗浄)|15分
目的:皮膚吸収を遮断する
- ☐ 防火服は指定場所で脱衣
- ☐ 内側に触れない
- ☐ 手洗い(石鹸)→洗顔→首・耳後ろ
- ☐ ウェットワイプで露出部を再拭き
被災地派遣の経験上、首・耳後ろ・手首が盲点になりがちです。
■④ 本洗浄(防火服・個装)|10分
目的:有害物質の残留を減らす
- ☐ 専用洗浄機(可能なら80℃温水)
- ☐ 中性・専用洗剤を使用
- ☐ 塩素系漂白は使用しない
- ☐ 十分乾燥
洗浄不足は「汚れが固定化」する原因になります。
■⑤ 持ち帰り対策|必須
目的:家庭への二次曝露を遮断
- ☐ 基本は持ち帰らない(備品管理)
- ☐ 車内換気
- ☐ 自宅持ち帰りは最終手段
家庭は最も守るべき安全域です。
■⑥ 家庭に入る前の最終動線|必須
- ☐ 玄関で脱衣
- ☐ 洗濯機へ直行(他衣類と分ける)
- ☐ シャワー優先
- ☐ 家族へ「洗う前は触らない」共有
これは不安を与える行為ではなく、安心を守る約束です。
■⑦ よくある失敗と回避策
- 「今日は軽微」→ 毎回やる
- 「後で洗う」→ 今やる
- 「忙しい」→ 順番を固定
ルール化=習慣化=負担軽減です。
■⑧ 現場目線の本音
除染は根性論では続きません。
短く・簡単・同じ順番だからこそ、継続できます。
現場経験から学んだのは、
続く仕組みが、命と健康を守るという事実です。
■まとめ|除染は「準備」ではなく「標準動作」
- 帰署後30分で完結
- 順番を決めて迷わない
- 家族と自分を同時に守る
元消防職員・防災士として断言します。
除染は特別な対策ではありません。 安全に次の現場へ向かうための、当たり前の防災行動です。
このチェックリストを、あなたの「標準」にしてください。

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