【元消防職員・防災士が解説】防災×心理的減災キット|中長期避難で“心が壊れない”備え

災害で壊れるのは、
建物だけではありません。

心も壊れます。

私は被災地派遣(LO)で、
物資が届き始めた後の避難所を何度も見てきました。

水もある。
食料もある。

それでも、

眠れない
イライラする
涙が止まらない

これが現実です。

だから必要なのが
「心理的減災」という考え方です。


■① 心理的減災キットとは

避難生活のストレス軽減に特化したセット。

・耳栓
・アイマスク
・簡易間仕切り布
・低刺激アロマ
・簡易日記ノート

物理的な備蓄ではなく、

「不安を減らす備え」です。


■② なぜ“音”と“光”が心を削るのか

避難所は、

・常に話し声
・いびき
・子どもの泣き声
・夜間の照明

交感神経が休まりません。

睡眠不足は、
免疫低下・判断力低下・抑うつ傾向を引き起こします。

災害関連死の背景には、
この「睡眠崩壊」があります。

耳栓とアイマスクは、
最も安価で効果の高い減災道具です。


■③ プライバシーの確保は尊厳の確保

簡易間仕切り布。

これは単なる布ではありません。

「自分の空間」をつくる装置です。

私は熊本地震の避難所で、
間仕切りが設置された瞬間に
空気が変わるのを見ました。

人は、
見られ続けると疲弊します。

プライバシーは、
命のインフラです。


■④ 低刺激アロマと日記の科学的意義

研究では、

・嗅覚刺激はストレスホルモン低減に関与
・感情を書き出す行為は心理整理に有効

とされています。

日記ノートは、
「不安の出口」です。

避難生活では、
弱音を吐けない人が多い。

だから、
紙に吐く。

これは
“心の避難”です。


■⑤ 現場で多かった誤解

「物があれば大丈夫」

違います。

物資が揃っても、
心が折れる。

能登半島地震の派遣時、
「地震より、その後がつらい」と
話す方が多くいました。

中長期避難では、

体力より
気力が先に尽きます。

心理的減災キットは、
この“後半戦”に効きます。


■⑥ 競合が少ない理由

防災市場は

・水
・食料
・発電

に集中しています。

しかし、
心理分野は未開拓。

だからこそ、

・中長期避難
・高齢者
・子ども
・女性

に特化した展開が可能です。


■⑦ 今日できる最小行動

・耳栓とアイマスクを防災袋に入れる
・100均の間仕切り布を追加
・小さなノートを1冊入れる

高価な装備は不要です。

「心を守る物」を
一つ足すだけでいい。


■まとめ

心理的減災キットは、

命を守る第二段階の備え。

物理的減災の次は
心理的減災。

避難所で
眠れるかどうか。

それが、
回復力を決めます。

防災は、
心まで守ってこそ完成です。


■出典
内閣府「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」
https://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/

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